忍者ブログ
超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
[145] [144] [142] [99] [120] [121] [138] [131] [68] [126] [119]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



時代小説「みをつくし料理帖シリーズ」、1作目。


神田町台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる屋」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大阪で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!


裏表紙より


時代小説のコーナーに行ったらピックアップ&紹介されていて手に取りました。内容も「女性料理人」ということでこの時代では珍しい設定に目を惹きました。またコミックス化もされている模様。


主人公、澪の料理への姿勢や生き方。どんな辛いことがあろうとも前へ、前へと進もうとする姿が眩しい。澪の生きていく姿に元気をもらったように思う。特に表題作「八朔の雪」は涙無しには読めません。というか、表題作以降泣きっぱなしでしたが。


この澪の生い立ちも悲しい。両親を8歳の時に大雨による増水で亡くし、孤児になったところを拾われ、奉公先で驚異的な舌を見いだされ、女だてらに料理人として仕込まれるようになる。そんな中、様々な苦労を経験し、常に貧乏はしつつも、奉公先のご主人や周囲の暖かい人達に支えられて、一歩一歩 しっかりと成長していく過程が、丁寧に描かれています。


主人公の澪も素敵ですが、澪の周りに集まる優しく、そして人情溢れる人々も良い味出してます。謎のお侍、小松原さん。澪を雇ってくれた種市。母親代わり、元奉公先では女将さんだったお芳さん。心優しい医者、源斉先生。小松原さんとの会話はニヤリとさせられます。


そしてお話事に澪によって編み出されるお出汁香る料理の数々。ぴりから鰹田麩、ひんやり心太、とろとろ茶碗蒸し、ほっこり酒粕汁。この名前もいいんです。特にとろとろ茶碗蒸しがもの凄く食べたい。そして商売敵の卑劣な妨害に屈しない澪にエールを送りたい。また、料理は特に江戸と上方の食文化の違いなどが分かりやすく、面白い。


時に切なく、温かい心温まる物語。人情ものの時代小説が読みたい、好きという方にはお薦めの一冊。また、各話に出てくる料理のレシピも一番最後に載っています。いつか作って食べてみたい。




拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可能にする    
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア

最新CM
[01/15 NO NEAM]
[11/05 マウス]
[09/28 りん]
[04/15 りん]
[09/03 めん]
最新TB
プロフィール
HN:
ナポリ
性別:
女性
自己紹介:
のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) ココナポリ All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]