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超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
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「サークル・オブ・マジック」シリーズ3作目。


 国王亡きあと、悪の領主の元で荒廃をきわめていたブレスランド。ランドルは故国の平和を取り戻すため、正当な王位継承者である王女を妖精国から連れ帰る。しかしその前に、世界を支配しようとする邪悪な魔法使いバーナードが立ちふさがる。旅で魔法に磨きをかけたランドルは、仲間たちとともに、強力な魔力を持つバーナードに戦いを挑む。ブレスランドの再建をかけた戦いの行方はいかに!?


4巻内容紹介より引用


以前はこの巻が最終刊でしたが、+1巻新たに発売されている。けれど、1巻から続くランドルの旅はこれにて終焉。読み直すとよく分かるのですが、1巻からこの最終刊に至るまで伏線がいろんな場所に転がっている。それを見つけるのも読み直す楽しみの1つ。


前半から一気に駆け抜けていく疾走感がいい。途中何度も降りかかる困難。かつてのルームメイトであり、仲の悪かったあの男が再登場したり、トーナメントでウォルターを襲った人物が判明したり、敵対したあの魔法使いとの戦い、悪魔エラムとの決着と、かなり熱い展開になっています。その1つ1つを確実に解決していくランドル。


また、戦いがメインなので、かつて騎士として修行に励んだドーン城での懐かしい人々との再会にはホッとする。待遇の違いに戸惑うランドルが微笑ましい。


個人的にお気に入りはブレスランドを救うために悪魔の世界での対決。3つの気が織りなす場所での戦いは手に汗握る。薄いわけでも軽いわけでもないのだがこみ上げてくる物がある。最後の展開も今まで異例尽くしで来たランドルにふさわしい最後。読み終えた後の何とも言えない読了感と、本を閉じたときの充実感が堪らない。きっとまた必ず再読するだろう。




【サークル・オブ・マジック】その他の感想
サークル・オブ・マジック~魔法の学校~
サークル・オブ・マジック~邪悪の彫像/王様の劇場~



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「サークル・オブ・マジック」シリーズ2作目。


真の魔法使いになるために修行の旅を続けるランドルは、邪悪な魔法のかかった老婆の彫像を手にする。悪の陰謀を阻止するため、ランドルは親友や意外な人物の力を借りて果敢に立ち向かう。(邪悪の彫像)
南のオクシタニアの町にやってきたランドルは、芝居好きのプリンスのために幻の幽霊や光を出す魔法で舞台効果の手伝いをする。しかし、その背後にはプリンスの暗殺を企てる魔の手が忍び寄っていた!(王様の劇場)


4巻内容紹介より引用


サークル・オブ・マジックは数多くある西洋ファンタジーの中でも何度も読み返しているシリーズの一つ。ハリーポッターを読み返すにはかなりの気力を使いますが、サークル・オブ・マジックはテンポ良く、時系列も結構進むのでさくっと読めます。


物語に登場する学園は、仕組みや寮などはハリーポッターの方が好みですが、魔法の使い方や主人公・ランドルの修行の旅などリアルな描写が何度読んでも胸にくる。ハリーポッター程の華美な事はないのだけれど、シンプルで簡潔に語られているからこそ、残るものがあるのだと感じる。


閑話休題。


2巻は「邪悪の彫像」「王様の劇場」と豪華2本立て。魔法学校を卒業し、修行の旅に出たランドル。邪悪な彫像で魔法学校の親友・ニックと再会し、嬉しいこともあれば、3巻へ向けての伏線も多々有り。王様の劇場は前編よりも明るく、悲しいこともあるけれど個人的にはかなり好きな話。サークル・オブ・マジックの中でも


2巻ではかなり悲しい出来事もありますが、いつも傍にいるリースが心の支えとなり、格段に成長していく。特に治癒の魔法では大活躍。真面目で一生懸命なランドルを応援せずにはいられない。魔法は万能な物ではなく、出来ることと出来ないことがある。この魔法に対する考え方や使い方が本当に好きだと改めて感じた。




【サークル・オブ・マジック】その他の感想
サークル・オブ・マジック~魔法の学校~



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ジブリ映画最新作、『借りぐらしのアリエッティ』原作本。


イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家。生活に必要なものはすべて、こっそり人間から借りて暮らしていましたが、ある日、小人の少女がその家の男の子に見られてしまいます―。カーネギー賞を受賞した、イギリスファンタジーの傑作。「小人シリーズ」の第1作。


裏表紙より


ジブリ最新作、「借りぐらしのアリエッティ」が2010年7月17日に公開!との事でその前に原作を読んでみました。


訳が少し古く、句読点が多いので多少読みにくかったものの、世界観とキャラクター造形が上手いなあと。小人というと妖精を思い浮かべるけれど、この世界にいる小人は魔法は使えず、生活の必需品は全て床の上に住んでいる人間から「借りて」暮らしている。そこが魅力なのだと思います。


人間たちが気づかぬうちに、或いは気づいてもそんなに気にしないものを「借りて」きて暮らしている小人たちは何とも微笑ましい存在です。普段使っている物達が彼らが「借りて」使う様は実に多彩。使い方の描写と所々に入る挿し絵に想像が膨らみます。借り暮らしの人々から見た視点、人間から見た視点。両方の視点を思い浮かべてみると面白い。


しかし、彼らの暮らしは人間に「依存」しているため、人間との折り合いがつかなくなった時には引っ越しを余儀なくされてしまう。物語は、ファンタジーだけれども非常にスリリング。それだけ「借り暮らしの人たち」の生活が、人間に依存しすぎているせいで生活が不安定になってしまうからなのでしょう。生活する上でひたすら不安が付きまとうのは辛い筈。まるで、人間が文明に頼りきっているといつかこうなる、という皮肉のようにも感じました。


物語と一緒に訳者後書き、解説を読むとより世界観、そして作者のメアリー・ノートンについてわかり楽しめると思います。また、「床下の小人たち」の他、「野に出た小人たち」「川を下る小人たち」「空を飛ぶ小人たち」「小人たちの新しい家」とシリーズがあるようで、次の話もぜひ読んでみたい。


映画公開に先駆けてホームページでブログがオープンしています。最新情報がいち早く入手できそうです。また、今月狡獪なせいかTVニュースやCMにも報道され始めました。ホームページ、メッセージにありますが、舞台を1950年代イギリスから現代2010年の日本に移しての物語。映画公開が今から楽しみです。




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物静かな盲目の美女シェリーには、不思議な力があった―死者の手を握ると、その人が死ぬまでの18秒間が見えるのだ。その能力で数々の難事件を解決してきた彼女だったが、某女性被害者の手を握ったとき、自分の悪夢と酷似したイメージを読みとる。その衝撃に頭を悩ませるシェリー。一方、別の町で刑事課長として孤軍奮闘するケリーもまた、不可解な連続女性誘拐事件という難題に悩まされていた。一見まったく関係ないふたり。だが、いたずらな運命は、この女性たちをある凶悪な殺人鬼の元へ導こうとしていた。警察捜査の裏表を知り尽くした著者ならではの、リアルで人間味あふれる警察小説。最優秀新人賞ノミネート、スリラー・アワード最優秀新人賞ノミネート。

裏表紙より
 


死者の手を握ると人が死ぬまでの18秒が見える盲目の女性。この文句が気になって購入しました。ミステリー系は結構好きなので一度読み始めたらかなりどっぷりと世界観に引き込まれました。


物語の大筋の主人公は女性2人。死の直前18秒の記憶を読み取る能力を持つ盲目の女性「シェリー」とニュージャージー州ワイルドウッド警察の警部補刑事課長の「ケリー」。でも実際の主人公はほぼ「ケリー」の方かな。


タイトルから「霊感ドラマ」のような印象を持つかも知れないが、鑑識やケリーの地道な捜査が実を結んで事件を解決に導いている。本書の作者が元警部補であり、20年間努めたベテランらしく、その頃の経験を生かしたリアルな講成になっていて読み応えがあった。等身大で描かれる現場の刑事達や、プライベートの内面がより登場人物をリアルに魅せている。


初めはバラバラだったシェリー、ケリー、凶悪犯が少しずつ、しかし確実に絡み合っていく手法はいいです。枝分かれしていた一つ一つが繋がり、 一期に物語が加速していくのは読んでいて心地よかったです。最後はまさか彼が!と度肝を抜かれましたがラストの展開がすごく自分の好みでした。


自分の能力や外見で偏見を持たれるシェリーですが、今回の事件で多くの物を失い苦しみましたが、最後の描写で立派に克服し、前に進む姿勢が見られたので今後が気になるところ。次作、「最後の吐息」は既に出版されているのでお金に余裕があるときに購入しようかと。だって、文庫で一冊945円って・・・・・・!この一冊も1008円という高さだからなあ。まあ満足する内容だったので後悔してはいませんが、中古で安いの探します。





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人間の仕掛ける罠を嘲笑うかのように逃れて、コランポー一帯の牧場を荒らしまわる狼王ロボ。しかしロボにも弱点があった…。自然の尊厳と脅威を体現したかのような狼の物語の表題作以外に、孤独な森の王者となった熊の生涯を描いた「灰色グマの伝記」、小さな妖精「カンガルーネズミ」、威厳に充ちたシカを狩猟する少年の物語「サンドヒルの雄ジカ」を収録する。

裏表紙より


シートン動物記は有名であり、知っている人も多いが私自身はまだ読んだことがなかった。「子供向けの動物」という印象が強い気がするが、大人でも充分楽しめる内容、文章だと思う。
実は夏の読書フェアの時に買ったままになっており、本の整理をしていたときに出てきたので読みました。


全部で四作有り、特に印象深かったのは「狼王ロボ」と「灰色グマの伝記」。
狼王ロボはまずページ数が少なくて驚いた。その変わりぎっしりと内容が詰まっていた。狼王と呼ばれる恐るべき力と能力、それに残虐性。食べるために家畜を襲うのではなく、楽しむために家畜を殺す。恐ろしい。しかもどんな罠も毒も見破り、人間を嘲笑うかのような手法には舌を巻きました。
まるで人間のような知能指数の高さに「人狼」と呼ばれていても不思議には思わせない何かをロボは持っていた気がします。ロボの最後には胸を打たれました。妻を捜して今まで決して短慮を起こさなかったロボが罠にかかったシーンは辛いです。人間側から見れば妻を殺され、仲間にも裏切られ、しかも捕まり後は死ぬだけ。けれど王者の風格を無くさずに堂々とある様には「狼王」の名にふさわしい貫禄が読んでいて伝わりました。


読んでいる間感じたのは文章の巧みさ。人間側から見る視点と動物達から見る視線が描かれていて、中でも動物自身の視点として描かれた灰色グマの伝記は個人的にかなり好き。クマを擬人化するのではなく、ただひたすらに孤独な大グマの生涯を追った内容は胸に来ます。作者であるシートンが灰色グマの生態をつぶさに研究したことが初めの文章を読み始めただけで伝わってきます。


そして、訳者の後書きから初めてシートンの経歴を知りました。まさか初めは画家だったとは・・・・・・全く知りませんでした。なら本の挿絵も全部シートンが書いた絵らしく、リアルに伝わってきます。野生動物と敵対しながらもただ残虐な面を引き出して書くのではなく、尊敬と愛に満ちた文章で書かれているシートンの視点が読んでいて心地よかったです。機会があれば別の作品も読みたいです。



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「サークル・オブ・マジック」シリーズ1作目。
ご夫婦で執筆されているそうです。訳は武者圭子さん。


領主の息子で従兄弟のウィルターと共に騎士になるために稽古をする毎日を送っていたランドル。12歳のある日、城を訪ねてきた魔法使いマードックとの出会いがランドルの運命を変え、魔法学校へと入学する。
魔法使いになるために努力するランドルだが、成績が芳しくなく落ちこぼれとなってしまう。何とか仮進級し、先生の元で魔法を学ぶ毎日だったが、意外な敵がランドルの前に立ちはだかる―――――。


騎士から魔法使いになると決めた後のランドルの勉強に対するひたむきさや粘り強さに好感が持てます。
特に、騎士修業時代の経験が魔法を習っていく上でランドルの助けになっていて、地道に行ってきた事は確実に自分の糧になり、今までの自分を捨てるのではないその姿勢が好きです。


話の流れや無駄な会話、説明文がないので月日が速く過ぎていくことに違和感を感じません。簡潔な文章がより物語に深みを与えていて、すごく読みやすい。


ハリーポッターが現代の魔法学校だとすると、サークル・オブ・マジックは中世の魔法学校といったところでしょうか。中世の世の中の厳しさをリアルに表現されていて、現実の厳しさを痛感させられます。
ハリーポッターのような華やかな魔法はありませんが、だからこそ心に響くファンタジーでした。



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のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
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