忍者ブログ
超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
[45] [38] [37] [36] [22] [35] [34] [33] [19] [32] [31]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



人間の仕掛ける罠を嘲笑うかのように逃れて、コランポー一帯の牧場を荒らしまわる狼王ロボ。しかしロボにも弱点があった…。自然の尊厳と脅威を体現したかのような狼の物語の表題作以外に、孤独な森の王者となった熊の生涯を描いた「灰色グマの伝記」、小さな妖精「カンガルーネズミ」、威厳に充ちたシカを狩猟する少年の物語「サンドヒルの雄ジカ」を収録する。

裏表紙より


シートン動物記は有名であり、知っている人も多いが私自身はまだ読んだことがなかった。「子供向けの動物」という印象が強い気がするが、大人でも充分楽しめる内容、文章だと思う。
実は夏の読書フェアの時に買ったままになっており、本の整理をしていたときに出てきたので読みました。


全部で四作有り、特に印象深かったのは「狼王ロボ」と「灰色グマの伝記」。
狼王ロボはまずページ数が少なくて驚いた。その変わりぎっしりと内容が詰まっていた。狼王と呼ばれる恐るべき力と能力、それに残虐性。食べるために家畜を襲うのではなく、楽しむために家畜を殺す。恐ろしい。しかもどんな罠も毒も見破り、人間を嘲笑うかのような手法には舌を巻きました。
まるで人間のような知能指数の高さに「人狼」と呼ばれていても不思議には思わせない何かをロボは持っていた気がします。ロボの最後には胸を打たれました。妻を捜して今まで決して短慮を起こさなかったロボが罠にかかったシーンは辛いです。人間側から見れば妻を殺され、仲間にも裏切られ、しかも捕まり後は死ぬだけ。けれど王者の風格を無くさずに堂々とある様には「狼王」の名にふさわしい貫禄が読んでいて伝わりました。


読んでいる間感じたのは文章の巧みさ。人間側から見る視点と動物達から見る視線が描かれていて、中でも動物自身の視点として描かれた灰色グマの伝記は個人的にかなり好き。クマを擬人化するのではなく、ただひたすらに孤独な大グマの生涯を追った内容は胸に来ます。作者であるシートンが灰色グマの生態をつぶさに研究したことが初めの文章を読み始めただけで伝わってきます。


そして、訳者の後書きから初めてシートンの経歴を知りました。まさか初めは画家だったとは・・・・・・全く知りませんでした。なら本の挿絵も全部シートンが書いた絵らしく、リアルに伝わってきます。野生動物と敵対しながらもただ残虐な面を引き出して書くのではなく、尊敬と愛に満ちた文章で書かれているシートンの視点が読んでいて心地よかったです。機会があれば別の作品も読みたいです。



拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可能にする    
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア

最新CM
[01/15 NO NEAM]
[11/05 マウス]
[09/28 りん]
[04/15 りん]
[09/03 めん]
最新TB
プロフィール
HN:
ナポリ
性別:
女性
自己紹介:
のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) ココナポリ All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]