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超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
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初読み、柳原望さん。


博士号は取ったものの無職で大学の研究室にいる温巳(はるみ)は未来への見通しもつかないまま日々を過ごす31歳。ある日歳若い叔母の美哉(みや)が急逝し、12歳の従妹・九留里(くるり)を引き取ることに。他人に心を開かない九留里との共同生活。ふたりが近づくきっかけは「おべんとう」だった。少し(!?)ラブ入りハートフルおべんとうコメディ、軽やかにスタート。久留里のかわいさにクラクラです!!


裏表紙より引用


30歳独身男性と中学生の女の子の交流を2人の食事やお弁当を通して深めていく物語は斬新で新鮮。お互いに訳ありで、苦労や戸惑いを感じながら少しずつお互いを理解し、家族として生活していく。ハートフルなドラマ系だとは思っていましたが、予想以上にボリュームがあったので読み応えがありました。


基本的に2人の間をつなぐものは料理、お弁当、そして九留里の母親・美哉さん。美哉さんが作ったきんぴらごぼうから始まるお弁当話は微笑ましいやら、せめてご飯は入れておこうよと思うべきなのか。けれど、そんな九留里の料理の腕が上手すぎるよりはリアルかなと。あまり料理をしない温巳が懸命にお弁当をレベルアップさせようとしていく姿はいいです。そして九留里が倹約家が趣味となっていき、温巳の行動をセーブしていくのも微笑ましい。良いコンビになりそうです。


また、近年の風潮を取り入れ、2人の姿を男女のように周りが勘ぐるのは仕方がない気もするけれど、そんなに男女の仲に見えるものなのか・・・。仕方がないのかな、と思いつつも温巳が「キモイ」「不審者扱い」やら警察沙汰等扱われるのは少し悲しい。最後はちゃんと家族になってきているのがせめてもの救い、かな。


料理に関しては何だか昔母が作ってくれたお弁当を思い出しました。今は自分で作ったりしていますが、結構埋めるの大変なんだよなあと気持ちが分かったり。ちょっと料理を頑張ろうという気になりました。


九留里のイジメや父親のこと、職場の同僚からの温巳へ恋愛感情、将来始まりそうな「トラブル」とまだまだ問題が山積み。これからの展開を楽しみに次巻へ。




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薬師アルジャン、第2巻!


王のただ一人の娘として幼い頃から暗殺の危険にさらされ、幼い頃から孤独だったプリムラ姫。そんな彼女の元に連れてこられた奴隷であり毒味役のアルジャンとの出会いが描かれ、またかつてアルジャンが城を追われる身となった原因の事件も語られ、そして王としても大切な一人の女性が犠牲となる。


1話目の親に毒を盛っていた娘の話。心を毒に染まってしまったら、狂気に蝕まれ始める。そんな親子の姿が悲しい。後で後悔しても後悔しきれないつらさ。悲しい。けれど逃げずに罪の意識を持って地に足付けて生きて欲しい。


前巻より遥かに政治色が濃くなった。その理由として、プリムラ姫が真剣に「王」について考え、民の生活を良くしようとしているためだと思う。前巻で1話事に成長した彼女も今回で急激に王としての自覚を持った。その傍に支えるようにアルジャンがいる。
アルジャンとプリムラ姫の過去の話も辛く、悲しいのだけれども優しい過去のお話。本当、良い話だ。


「ただ優しいだけでは王にはなれない。王になるためには民は何かを見いだす」
かつて謀反の疑いとして処刑された(はず)のとある方の言葉。確かに。納得。王として例え冷酷だと言われようともそれは国王としての判断であり厳しさ、人の優しさをなくしたわけではない。そしてかつては娘を殺そうしたために感じる負い目による不自然な娘の愛し方は父親としての王の姿。奥深いなあ本当。




【薬師アルジャン】その他の感想
薬師アルジャン(1)



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薬師アルジャン第1巻。想像以上に面白かった!


毒は使い方を変えれば薬にもなり、そしてさらに強い毒ともなる。幼い頃に体に毒を仕込まれ、奴隷として買われた先で出会った王女、プリムラ姫。愛おしいプリムラ姫にその毒性故に触れることすら構わないアルジャンと、王女として国を導く重責背負うプリムラ姫の物語。


想像していたものがほのぼのだっただけに切なく、そして心に響く物語だった。初めは王女のプリムラ姫が性格的に合わず、微妙にいらっとしながら読んだんですが最後まで読み終えたときには好きになりました。1話事に成長していく姿は良いですね。ただ、王女として「食べ過ぎ」で薬師呼びまくるなよとつっこみどころ満載でしたが、シリアスなストーリーからコミカルになる話の転換は好きです。


一方主人公であるアルジャン。彼好きだなあ。「己」の毒と「心」の毒と戦うアルジャン。ひたむきな所や懸命に慈しむプリムラ姫のためにそんな様々な毒と闘う決意を固めていく姿は呼んでいて小気味良い。そして少しずつ一途な彼の思いをくみ取っていく2人がいいです。ただ、表紙の彼と本編の彼。どうにも印象が違うな。まあ、別に良いのですが。


個人的に王様が良いキャラしていると思う。アルジャンを利用し、試す様はまさに為政者。一癖も二癖もないと王様なんてやってられない。この腹黒さ、いいですねえ。そして娘の前では甘々で親バカ。両方ともしっかりと使い分けている辺り流石。ただにっこりと笑顔で恐喝とかしたら怖いな。アルジャンに対しての言動には思うところがあるけれど、元奴隷で逃亡者。これだけですんだだけましなのかな?


絵柄はちょっと独特で好みが別れるかな。シナリオも練ってあり、切なくも温かく、苦しくも楽しい。そんな読み応えのある一冊でした。




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人間て不思議だ。

戦後の日本、神に愛された声を持ちながら、誰にも理解されずに生きる男の生涯。
その飽くなき探究心で、死をも知ろうとする古代ギリシアの哲学者・ソクラテス。
遙かな未来。人からも神からも忘れられた土地に、2人きりで静かに生きた夫婦。
無罪を主張する青年と、妻を介護する老人が起こす、百万年に一度の奇跡。

人間が、ただ人間らしくあろうとする時、忽然と現れる一人の少年。
永遠の時を旅する不思議な少年が見た、「人間」の煌めく光と深い闇。
『天才柳沢教授の生活』の山下和美が、時を超えた人間の心のひだをあざやかに描き出す新シリーズ、待望の第2巻!

裏表紙より


この巻から傍観者であり超然的だった少年は感情をあらわにするようになり、他者とのふれあいの中から揺れ動く心が見えるよう。
時空を自由自在に行き来し、老いることのない少年は人が持ち得ることの出来ない超越した力を持っている。まるで神様のようだがあくまでも“傍観者”の域を出ないからこそ、少年が生きてくる。
前巻はニヒルな笑みの多かった少年だが、今回は心の底からわき出る笑みが増えたように思う。


今回、どの話も秀逸。テーマがいい。
特に考えさせられたのは5話「ソクラテス」。キューピーのようなキラキラと輝く目をしたソクラテスに粋な反論をされた少年の表情がいい。改めて考えるとソクラテスの偉大さが分かるような話だった。
個人的には6話「タマラとドミトリ」も好き。
人間は自分の持っていない物、行ったことのない場所に幸せがあると思いこんでいるが、本当は自分が幸福だということに気づきにくくなっているのかも知れない。幸せを噛み締めるタマラの姿が印象的。


読めば読むほど考えることが増える。別の視点が見えてきたりもする。答えのない物語がおもしろい。





 【不思議な少年】その他の感想
 第1巻



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あらゆる時代とあらゆる場所を「彼」は訪れる。

人間て不思議だ―――。
終戦直後の日本に生きる家族を縛る「血」と「土地」。
19世紀末のロンドンを懸命に生きる身寄りのない少女。
生きる目的を知らぬまま戦国乱世を駆け抜けた1人の青年。
それはいつの時代も変わらない人間らしい生き方。
そこに1人の少年がいた。
永遠の生を持って「人間」を見つめる不思議な少年が。

『天才柳沢教授の生活』の山下和美が人間の光と闇をきらびやかに描く新シリーズ、堂々のスタート!


裏表紙より
 


山下和美さんの漫画を読むのはこれが初めて。絵のインパクトと不思議な少年というタイトルに惹かれて購入した。
題名通り、不思議で読み応えのある一冊だった。
様々な時代、場所に現れる少年。彼は観測者のように人間の傍にいる。手を貸してくれることもあるが、それは彼が満足したいだけなのか、それとも本当に手を貸したいのか。まるで人間を試すような発言、行動、そしてニヒルな笑みに何故か妙に惹かれる。


人間の業について深く掘り下げられて描かれた一話目「万作と猶治郎」。
二話目「エミリーとシャーロット」取り替えられた2人の少女の物語。
最後のエミリーの苦笑したような、悲しいような寂しそうな表情に彼女の思いが全て詰められているようだった。
個人的に好きなのは三話目「狐目の虎吉」。3話の中で一番躍動感溢れる構図。人を惹きつける虎吉の生き様。大人を殺すという彼の考え方に納得がいかないところもあったが、生きたの表情に魅せられた。


人間とはいったいどんな物なのかということをあらゆる角度から描かれている。奥深く、底がない。
一冊に3話しか入っていないと思うべきか、それとも3話入っていると考えるべきか。これは読んだ人にしか分からない。





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のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
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