忍者ブログ
超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
[16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



人間て不思議だ。

戦後の日本、神に愛された声を持ちながら、誰にも理解されずに生きる男の生涯。
その飽くなき探究心で、死をも知ろうとする古代ギリシアの哲学者・ソクラテス。
遙かな未来。人からも神からも忘れられた土地に、2人きりで静かに生きた夫婦。
無罪を主張する青年と、妻を介護する老人が起こす、百万年に一度の奇跡。

人間が、ただ人間らしくあろうとする時、忽然と現れる一人の少年。
永遠の時を旅する不思議な少年が見た、「人間」の煌めく光と深い闇。
『天才柳沢教授の生活』の山下和美が、時を超えた人間の心のひだをあざやかに描き出す新シリーズ、待望の第2巻!

裏表紙より


この巻から傍観者であり超然的だった少年は感情をあらわにするようになり、他者とのふれあいの中から揺れ動く心が見えるよう。
時空を自由自在に行き来し、老いることのない少年は人が持ち得ることの出来ない超越した力を持っている。まるで神様のようだがあくまでも“傍観者”の域を出ないからこそ、少年が生きてくる。
前巻はニヒルな笑みの多かった少年だが、今回は心の底からわき出る笑みが増えたように思う。


今回、どの話も秀逸。テーマがいい。
特に考えさせられたのは5話「ソクラテス」。キューピーのようなキラキラと輝く目をしたソクラテスに粋な反論をされた少年の表情がいい。改めて考えるとソクラテスの偉大さが分かるような話だった。
個人的には6話「タマラとドミトリ」も好き。
人間は自分の持っていない物、行ったことのない場所に幸せがあると思いこんでいるが、本当は自分が幸福だということに気づきにくくなっているのかも知れない。幸せを噛み締めるタマラの姿が印象的。


読めば読むほど考えることが増える。別の視点が見えてきたりもする。答えのない物語がおもしろい。





 【不思議な少年】その他の感想
 第1巻



拍手

PR


ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ6作目。


夏休みが終わって都に戻ったムイは、契約書の材料も集め終え、ようやく普通の生活に戻れると思っていた。だがティッセの策略でナナサ国王が森を訪れることになってしまった!
契約書が崩壊寸前だということを秘密にしているムイは、新しい契約書の完成を急ぐが、ふとした事がきっかけで、フィンドルとラーシェンを顔も見られないくらい意識してしまい、関係がギクシャクしだして――――――。

裏表紙より


ついにムイが2人のことを意識し始めました!
ようやく恋愛路線に乗り始めてほっとしつつも、まだまだ時間が必要そうですね。
といっても読んでいるこちら側は楽しくて仕方がないのですが。
ラーシェンとフィンドルの2人がムイのお菓子を掠め取っていくシーンが笑えました。
が、私的にはムイよりもキハネとアーレンが気になって仕方がない!とっても良い感じな雰囲気にアーレンが報われ初めてかなり嬉しいです。


それと、ようやくティッセの裏にある背景も見えてきました。そんな裏事情があるからピクテ・シェンカの森では満足できなかったのですね。政治的な駆け引きが好きだというのならば、こんなに静かで落ち着いた場所ではと思うけれどそれとムイを殺そうとすることは直結しないと思うのですが。
うーん・・・でも彼女はグリジスとは違いかなりまっとうな悪役かなとは思います。わかりやすいですし。


そして、ついに王様に尻尾を掴まれたグリジス。
と同時に新しい契約書について知られてしまったけれど、きちんと説明したら分かって貰えて良かった。個人的にはグリジスの陰謀を全て知られてすっきりしたのですが、彼はまだ諦めそうにないですね。「あの小娘共め!」と捨て台詞を吐いていますし。
確かに優しいだけでは王様にふさわしくないですが、どうなんだろう。彼の場合軍事思考に行き過ぎじゃ無かろうか。


今後気になるのはティッセと、盗まれた契約書に名前を書いてしまったアーレンとキハネ。次の巻当たりでティッセの方も決着がつきそうな雰囲気ですね。次巻が楽しみ!





 【ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ】その他の感想
 第1作 「はじまりは黒馬車に乗って」
 第2作 「王都の夜と婚約者」
 第3作 「ひねくれ執事と隠者の契約」
 第4作 「わがまま王子と魔女の誘惑」
 第5作 「魔法の指輪と失くした思い出」



拍手


1267508907_04600.jpg
1267525809_02290.jpg















いつの間にやら3月!そういえばお雛様の季節。そろそろ押し入れから引っ張り出さないとなと完全に忘れかけていたときにグリムスがひな祭り仕様に!
可愛い♥
家に帰ってきた時は明るかったのが、夜になったらちょっと暗めに。
いろんな所がひな祭り仕様になってますねー。今日ようやくお雛様を飾ろうと思って母がお雛様に供えるお菓子を大量に買ってきました。もちろん自分が食べたい奴を(笑)
ひな祭りだと給食を思い出します。給食に出るひなあられ大好きだったんです。なんでかなー売っているひなあられより美味しい気が。また食べたい懐かしの味。



―ちょこっとエコ話―
 
あんまりエコっていってもピンと来なかったのですが、未来星を始めてからちょっとしたことがエコに繋がっているんだと初めて知りました。
良くやるのはスーパーにエコバックを持っていくことと、my水筒に飲み物を詰めるくらい。水筒に詰めるのはただ単に温かい飲み物が飲みたいだけだったりしますが(笑)
意外だと思ったのが、使わない場所の電気はこまめに消す。長期不在の時はコンセントを抜く。省エネらしいです。長期不在の時、というのはこれやりますねー。旅行行くときとか実家に戻るときとか。
エコって意外と身近に出来たり。うーん勉強になる。





2010y02m22d_120119583.jpg

 

↑上の絵が2週間目始め。
森が大きくなり始め、風力発電の風車が出来ました。
そして下の海には海藻が。ようやく海の方にも成長の兆しが見えてきました。
 

 
2010y03m02d_122712656.jpg



で、こちらが3週間始めの今日の星。
森は前よりかなり大きく、しかも森の他に木が二本出来ました。その横の風車も二本に増え、家の横にはブランコが!このブランコ可愛いです♥
そしてようやく道が一本出来上がりました。これが今後道路とかになるのかなと思いつつ。
海の海藻が緑から赤へ。・・・これって何の変化?何故に赤なのか謎すぎる。
後、海の生物としてクラゲが登場!ヨットも出てきましたし、海の方も少しずつ成長してくれている模様。





それと、話は変わりますが月の虹って見たことありますか?
偶々MSNのトップページに写真が載っていて、すごく綺麗だったのでもの凄く印象に残っています。
はじめはCGかと思いましたが(失礼な)、よく見ればちゃんとした写真でした。
ほぼ満月が引き起こす極めて珍しい現象だそうです。夜に虹って神秘的ですごく綺麗です。
始め、記事のURLを載せようとしたら、禁止されているようなので、お手数ですが、気になる方は「月の虹、MSN」で検索すると出てきます。




拍手



ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ5作目。


普通の少女だったムイは、祖父から領地を受け継ぎ、ピクテ・シェンカの森の領主となった。しかし、森には異界から来た魔物たちが棲んでいた。
以来、なんとか魔物たちとも仲良く暮らしてきたのだが、ある日森に棲む狼の王・ラーシェンから贈られた指輪をつけたムイは、突然子供の姿になってしまった!
そして記憶が次々と消えてゆく中、ムイは謎の男に連れ去られてしまい!?

裏表紙より
 



「フィー遊びに来てくれたんだね!」
初っ端からかましてくれました。だめだ笑える。
双子とフィンドル(フィー)の攻防が笑えて仕方ありません。双子のタックルをムイを抱えて華麗に避けるところもいいのですが、フィンドルが「ばーか」とか使っちゃう辺りが笑えます。その悪い言葉を気に入って(格好いいと思って)ムイが無邪気に“ぶちころす”“しね”とか言っている辺りフィンドルの口の悪さが伺えます。というか“うしのでかぶつ”とか“つばさのはえたガキ”とか。誰なのか速攻で分かってしまう。笑える。
小さい頃の2人って双子じゃありませんが最高に可愛い。


閑話休題。


そして今回ようやく契約書の材料は残り一つとなったものの、材料探しをしすぎて溜まった宿題を片付けるはめに。大量の宿題を片付けつつ、気分転換に窓を開けたら契約書がバラバラに!
慌てて契約書をまとめたものの一瞬完全に契約が解けてしまったらしく、以前契約を破って羊になってしまったロロパが人になってしまったりとそろそろ本格的に契約書の危機。
そこで、今一度クトーに相談しに行こうとしたところでラーシェンから指輪を渡される。その指輪をはめたときからムイは子供の姿になってしまった。


子供の姿になったムイに双子が暴走。元々子供好きな種族で子供を巡って争いすら起こってしまう人達なので暴走することは目に見えて分かっていましたが、・・・・・・暴走しすぎです2人とも。
双子の異常なまでの暴走の理由は大好きなムイがそのまま大好きな小さな子供になってしまったから。思考が危ない方向へと(犯罪)向かってしまっていて怖いくらいです。


難を逃れてフィンドルと共に森へと行くムイだが、ふとした瞬間に昔のことを思い出し始める。それに比例して無くなっていく現在の記憶。自分の記憶に違和感を覚えながら宿題を終わらせる日々を送っていると、見たこともない男性に出会う。


そしてこの男性こそ、ルイとリアーニの父であり、かつて町から子供を攫い、ムイが可愛がっていた羊だったと。もう、この人。ルイとリアーニを軽く越える子供好きです。
小さい頃しか面倒見無いとかどういう事よ。大きくなったらぽいっと育児放棄。子供を攫ってくること多々あり。
母親が小さい頃から説明したおかげで2人はぎりぎり許せる範囲で父親を嫌っていますが、ルイとリアーニが父親が嫌いな理由が実によく分かりました。
意外と苦労人です、2人とも。


そして、この父親に攫われてしまったムイはこの辺りから完全に今の記憶が消えてしまう。
最終手段としてフィンドルが指輪に手袋なしで触れて灰に。
ここでようやくフィンドルなりにけじめがついたのではないかと。素の言葉を喋るフィンドルが良かったです。
でも、大きくなる前に服を着替えさせるとかコートを羽織らせておく等配慮をしてほしかった。


ここまできてようやくラーシェンが登場して真相が分かり、アメケージュが指輪を渡した張本人だと発覚。鱗を渡す相手の記憶が欲しい、とのことでラーシェンが仕方なくムイに指輪を渡すこととなったのだが、鱗を渡す為とはいえ、実は30年分の記憶をとっていたらしい。
以前に記憶に対する魔法をかけていなかった場合最悪存在が消えていた危険性が・・・。
そして、ようやくアメケージュの鱗を手に入れてこれでようやく契約書の材料が全部集まりました。
しかしムイを気に入ってアメケージュが森に住むことに。よかったのか、悪かったのか・・・。けれど今後また出てきて欲しいキャラ(魚?)です。


そして、ようやくラーシェンが自分の気持ちに気がつきました。おめでとうラーシェン。
けれど敵はかなり手強く全く気づいていない模様。
果たしてこれからどうなるのか、恋愛面がおもしろくなってきました!






 【ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ】その他の感想
 第1作 「はじまりは黒馬車に乗って」
 第2作 「王都の夜と婚約者」
 第3作 「ひねくれ執事と隠者の契約」
 第4作 「わがまま王子と魔女の誘惑」



拍手



現代の脳外科医・南方仁は頭部裂傷の緊急手術の執刀中、頭蓋骨内封入奇形胎児を発見、摘出する。手術後、謎の声が“元ヘ戻シテ”と仁に囁き、更に仁は逃走したオペ患と揉み合ううち、何と幕末へワープしてしまう。
近代器具なき現代医・仁の医術は幕末に通じるか?

裏表紙より



ドラマ化されたことで一躍有名になったJIN。実はDVDBOXが発売されることになり、その内容がおもしろそうだなということで初めて知った作品でした。普段あまりドラマを見ないので(汗)
基本的に原作を読んでから映画なりドラマなりを見るタイプなので、とにかく原作読もうと友人から借りました。


精密に書かれた手術室の機材や人体内部の描写にブラックジャックを思い出しました。そして脳内に出来た腫瘍の形が胎児型・・・。ここはまだ導入部分ということで何が何やらわかりませんが、今後に必要不可欠な部分なのかと。かなり気になる話です。


見所は江戸の街を生き抜く仁の姿であり、当時の技術で出来うる限り最先端の技術を創り出そうとしているところ。また、手術の模様の詳細な描写と説明に、綿密に取材と勉強をしたことが伝わってきます。
そして、勝海舟のような歴史的重要人物との会合が今後どのような結果をもたらすのか。


一巻ながらサクサクと進む物語。けれどまだ序章の域を出ていないので、今後に期待。




拍手



あらゆる時代とあらゆる場所を「彼」は訪れる。

人間て不思議だ―――。
終戦直後の日本に生きる家族を縛る「血」と「土地」。
19世紀末のロンドンを懸命に生きる身寄りのない少女。
生きる目的を知らぬまま戦国乱世を駆け抜けた1人の青年。
それはいつの時代も変わらない人間らしい生き方。
そこに1人の少年がいた。
永遠の生を持って「人間」を見つめる不思議な少年が。

『天才柳沢教授の生活』の山下和美が人間の光と闇をきらびやかに描く新シリーズ、堂々のスタート!


裏表紙より
 


山下和美さんの漫画を読むのはこれが初めて。絵のインパクトと不思議な少年というタイトルに惹かれて購入した。
題名通り、不思議で読み応えのある一冊だった。
様々な時代、場所に現れる少年。彼は観測者のように人間の傍にいる。手を貸してくれることもあるが、それは彼が満足したいだけなのか、それとも本当に手を貸したいのか。まるで人間を試すような発言、行動、そしてニヒルな笑みに何故か妙に惹かれる。


人間の業について深く掘り下げられて描かれた一話目「万作と猶治郎」。
二話目「エミリーとシャーロット」取り替えられた2人の少女の物語。
最後のエミリーの苦笑したような、悲しいような寂しそうな表情に彼女の思いが全て詰められているようだった。
個人的に好きなのは三話目「狐目の虎吉」。3話の中で一番躍動感溢れる構図。人を惹きつける虎吉の生き様。大人を殺すという彼の考え方に納得がいかないところもあったが、生きたの表情に魅せられた。


人間とはいったいどんな物なのかということをあらゆる角度から描かれている。奥深く、底がない。
一冊に3話しか入っていないと思うべきか、それとも3話入っていると考えるべきか。これは読んだ人にしか分からない。





拍手



悪霊シリーズ5作目。


今回の調査は、この館で数知れない人間が姿を消しているという幽霊屋敷。建てられてからも増改築を重ね、いまや106室を数える異様な洋館だ。しかし、建物の外周と内側の寸法が一致しない―隠し部屋?
呼び集められたのは、「渋谷サイキック・リサーチ」組を含めて総勢20名。その中から3人が消え、そして、ついに麻衣が連れ去られた。そこは血に塗りこめられた部屋。喉には冷たい包丁が。夢なら、ナルの腕の中で覚めさせて。

BOOKSデータベースより


この話はシリーズでも1、2を争う怖い話だと思います。
漫画でも怖かったのですが、文章で読むとより怖かったです。
内容を知っているのに夜中に読んだ私が馬鹿でした。(しかも読み終わったのが丁度午前2時30分)でも一度読むと展開が気になって怖くても読んでしまう罠。
怖くて寝られなくなり、電気を付け、怖いからと玄関にいる家の犬を呼び寄せてようやく眠ることが出来ました。どんだけ。


そんなことは置いておいて本題へ。


事務所に現れた「森まどか」と名乗った女性はリンさんやナルと親しげな様子。はじめはリンさんの恋人なのかと疑っていたら実はナルのゴーストハンタ-としての師匠だった。
彼女の依頼で日本の元首相の依頼を受けることに。しかしここでもマスコミ嫌いなナルは安原君を所長代理として仕立て、幽霊屋敷へと向かう。


安原君再登場!嬉しいなと思いつつ、流石元生徒会長。あだ名「越後屋」。幽霊屋敷ではたっぷりとかましてくれました。そして、彼の有能さが浮き彫りになった話でもあると思います。
そして初登場のまどかさん。
この人が登場するとナルが普通の17歳の男の子に見えていいです。「この子」発言は笑えます。この人のゆったりとした独特の雰囲気としゃべり方好きです。
漫画で登場したときは始めあまり好きではなかったのですが、回を追う事に好きになりました。
それと、文庫版の漫画にあったショートストーリーもおもしろかったです。


今回行った先が古い洋館。いかにも何か出そうな雰囲気のたたずまいの幽霊屋敷。
しかもそこは無数の部屋があり、計測すると内側と外側で大きさが違ったり、扉を開けると壁、窓を開けると部屋に繋がっていたりとかなりおかしな設計になっている。
そんな幽霊屋敷にて麻衣達渋谷サイキックリサーチの他にも霊能者が集められて調査をすることに。その中には業界で有名なオリヴァー・デイビス博士がいた。
そして真砂子は言う。「血の臭いがする」、と。


依頼代理人の大橋さんにさらっとナルが嘘をつくシーンに笑えました。何でそんなにさらっと嘘がつけるのか。
そして上手く話を誘導していく安原君も良い役しています。それと井村さんを丸め込めたときの鮮やかな嘘の付き方!微妙に史実に基づいた話の展開が笑えました。
これ程ナルの代役に適した人材もいないです。ナイス人選。
そしてシリーズ5作目にしてようやくリンさんの本名と出身地が明らかに。この後、麻衣と話して和解したシーンがすごく好きです。リンさんが声を上げて笑ったことにはかなり驚きました。
ようやくリンさんとも少し近づけた感じが嬉しかったです。
と、同時に今まで謎だった麻衣の素性も明らかに。まさか孤児だったとは思わなかったので、漫画で読んだときかなり驚いた記憶があります。
苦労しているのに感じさせない麻衣の明るさが好きです。


調査を始めてから数日、降霊会をするという。誘われた麻衣達一行も参加し、鈴木さんという女性が降霊を試みた。すると鈴木さんが突然紙に何かに操られたかのように文字を書いていく。と同時に起こり始めるラップ音。
紙に書かれていた文字は全て「助けて」。しかし一枚だけまるで血で書かれたように「死にたくない」と書かれていた。ビデオを再生すると死にたくない、という文字だけが何も書かれていない紙に文字だけ浮かび上がったことが分かった。
そして翌日、鈴木さんが消えた。しかも調査を進めていくうちに1人、また1人と人が消えていく。
何度も探したが見つからない。本来なら行き止まりの所に行ったはずなのに近くをどれ程探しても見つからない。緊張感の中、麻衣は夢を見る。

自分が殺される夢を―――――。


この辺りからホラー要素が強くなりつつもミステリー要素も増えてきました。
隠し部屋が見つかった中からは白衣や肖像画が見つかったりと手がかりが増えてくる。そして、本来は行き来してはいけないがこっそりと情報を届けに来るまどかさんの助けもあり、次第に謎が解明されていく所は読んでいてすごくおもしろい。
肖像画の浦戸=鉦幸氏だった辺りから段々ときな臭い雰囲気に。

そして、麻衣の夢が怖すぎる。実際にかつて屋敷で殺された人の夢を見てしまったらしいがここの描写が怖い。じわじわと恐怖がせり上がってきて背筋の寒気が止まりませんでした。
特にベットに寝せられた後に迫ってくる包丁。
ここは漫画も読むとすごい臨場感が出て怖いです。ベットに寝せられた後に視点が逆さまになった辺りとか本当に怖い。


麻衣の夢から推測される“処刑室”は今まで調べた屋敷の中には見つからない。後調べていないところは屋敷の中にぽっかりと空いた空間だけ。最終手段として壁を破ることに決まったが、また人が1人消えた。
消えた人達の共通点として20代以下の若い人が好きだということがわかり、鈴木さんが亡くなったと仮定して魂よばいをすることに。
リンさんが魂よばいを行い、影のように現れた鈴木さんは自分が死んだことに気がついていなかった。そして、最後に浦戸という人物を知っているかという質問に鈴木さんは「ヴラド」という血文字を残して消えた。導き出された答えから鉦幸氏、つまり浦戸はまだこの屋敷に内にいて生け贄を求めている―――――。

ぽっかりと空いた空間に入るため、壁を壊して中に入ったそこには数ヶ月前に姿を消した人の死体だった。空間をねじ曲げなければ入れない場所に人を移動させる。かなりの力を持たなければ到底不可能なこと。
浄霊、除霊を含め不可能と判断した一行は撤収準備を始めたが、目を離した隙に真砂子が壁の向こう側に連れ込まれてしまった!


事件が一段落し、しかも本当の依頼は「南さんが連れ歩いているオリヴァー・デイビス博士が本物かどうか」だったり。調査が狙いではなかったとは予想外すぎる。
しかもようやく帰る段階になってのまさかの真砂子の失踪。
既に殺されているかも知れないそんな危険な状況でついに麻衣の能力が発動。幽体離脱をして真砂子の元に行った件に麻衣の能力上がりましたね。すごすぎる。
でもその後に対峙した浦戸本人の描写が怖い。血の溜まったバスタブから出てくる浦戸が怖すぎる。
ここも漫画と一緒に読むとかなり怖いです。ついでにアニメも見ちゃうとなおさら怖いです。以前借りてきて見たのですが色と音と声が入ると怖さが倍増しますね。怖くて堪らないです。

すごく怖くて身震いしますが(もう本当に怖いしか書いてないな)、話の展開やミステリー要素がおもしろくて何度も再読したくなる話でした。




 【悪霊シリーズ】その他の感想
 悪霊シリーズ第1作 「悪霊がいっぱい!?」
 悪霊シリーズ第2作 「悪霊がホントにいっぱい!」
 悪霊シリーズ第3作 「悪霊がいっぱいで眠れない」
 悪霊シリーズ第4作 「悪霊はひとりぼっち」



拍手



「サークル・オブ・マジック」シリーズ1作目。
ご夫婦で執筆されているそうです。訳は武者圭子さん。


領主の息子で従兄弟のウィルターと共に騎士になるために稽古をする毎日を送っていたランドル。12歳のある日、城を訪ねてきた魔法使いマードックとの出会いがランドルの運命を変え、魔法学校へと入学する。
魔法使いになるために努力するランドルだが、成績が芳しくなく落ちこぼれとなってしまう。何とか仮進級し、先生の元で魔法を学ぶ毎日だったが、意外な敵がランドルの前に立ちはだかる―――――。


騎士から魔法使いになると決めた後のランドルの勉強に対するひたむきさや粘り強さに好感が持てます。
特に、騎士修業時代の経験が魔法を習っていく上でランドルの助けになっていて、地道に行ってきた事は確実に自分の糧になり、今までの自分を捨てるのではないその姿勢が好きです。


話の流れや無駄な会話、説明文がないので月日が速く過ぎていくことに違和感を感じません。簡潔な文章がより物語に深みを与えていて、すごく読みやすい。


ハリーポッターが現代の魔法学校だとすると、サークル・オブ・マジックは中世の魔法学校といったところでしょうか。中世の世の中の厳しさをリアルに表現されていて、現実の厳しさを痛感させられます。
ハリーポッターのような華やかな魔法はありませんが、だからこそ心に響くファンタジーでした。



拍手



もやしもんの作者、石川雅之さんの新作という見出しに負けて購入してきました。
大好きなんです、もやしもん。


中世ヨーロッパ、百年戦争を舞台とした魔女にして聖女の名を持つマリアの物語。
いつもながら緻密な描きこみ。漫画の中も丁寧に書かれていますが、是非とも表紙をめくって欲しい。表紙のマリアの後ろに描かれている絵が見られます。


はじめはなかなかテンポが掴めずにいましたが、読んでいくうちにやはり期待通りのおもしろさ!
もやしもんもそうですが、キャラクターが良い味出しています。
主人公「マリア」を筆頭に周りにいるキャラクター達や脇役達が物語に深みを与えています。個人的にはフクロウ’sが可愛くてしょうがなかったり。
それと、大天使との会話は必見。天使の矛盾していて無慈悲なところも、マリアの言い分もどちらも納得できる。単純にどちらが合っている、間違っていると決めつけない感じが良いです。


内容が忠誠ヨーロッパを忠実に描いたファンタジーで、宗教、魔女、天使と重い題材にもかかわらず、思っていたよりコミカルに物語が進んでいきます。史実に詳しいともっと楽しめるかと。
何故題名が「純潔」なのかもこの巻で分かり、1巻目はまだ序章といったところです。
これからの展開が楽しみです。



拍手


ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ4作目。


魔物の棲む森の領主になった少女ムイは、国王から城に呼び出されていた。以前、都で森の魔物が起こした騒動がばれたのかと思い、こわごわ登城したムイを待っていたのは、次期国王となる青年グリジスだった。
王になるための通過儀礼として森を訪れたグリジスは、森の住人たちの異能を知り、私欲のために使おうと画策し始めた!
反対したムイは森に入ることを禁止されてしまい…。
裏表紙より
 


前巻の終わりで王様が登場し、きな臭い雰囲気になってきていたので今回は陰謀がメインになるのかな、と思いきや割といつも通りのほのぼのしたシーンが多かったです。
もちろん、陰謀めいた話が多かったのも事実ですが、正直もっと多いと思っていたので少し肩すかしを食らった感じです。
今回は王城、王様、王子様メインのお話になるので契約書の材料探しは一旦おやすみでした。


城に着いた先で出会ったのは王様、そして次期王様である「グリジス」。
この次期王様、病弱で身体が弱い。そんな状態の人を果たして王にして良いのか・・・。しかも次期王様になる予定だったグリジスの父は「家を護るだけで精一杯なので」といいつつ真意は「王になるのが面倒くさい、なりたくない」だったり。
・・・大丈夫か、王様の家系と心配になりました。


しかし、予想に反してグリジスは野心家でした。
王の通過儀礼として森に連れて行って欲しいという王様の真意には森の秘密を探ること。しかし、彼らの存在や力を目の当たりにし、私欲のために利用できないかと考え始めた。
完全にこの人の判断基準は人を使えるか使えないか、利用できるか利用できないかでしか考えていません。
王として良いか分かりませんが、忠誠を誓ってくれる人が少なそうですね。人柄的に。
例え忠誠を誓っていても上辺だけで、信用出来ない人だったり。
果たして良い王へと成長してくれるのか・・・。でも、良い王になったとしてもムイにとって信頼できる王にはなりにくそうですね。
というか、いい王に成長する前にいろいろと策略していたことが王様にばれて王の座から降ろされたりして。十二分にあり得るような。


そして、森の住民達の悪口をいうグリジスに我慢できずにムイが口を出してしまったばかりにグリジスの機嫌を損ね、しかもそこに黒幕ティッセが接触し、グリジスを上手く利用し始める。
今回思ったのは、グリジスやティッセなど悪役(?)の書き方が上手いなと。その分悪役が上手いと物語に深みが出て、よりムイ達が引き立っていました。
そしてようやく尻尾を出したティッセ。キハネとケンカ別れをして出て行ったが、真相がばれてしまって出て行ったわけではないので今後、グリジスとティッセの行動が鍵になりそうです。


今回はストーリー上恋愛面薄め。ただ、どちらかといえばラーシェンが頑張りつつ影でこっそり動くフィンドルもよかったです。
それと、森狼の王として仕事ぶりを初めて見ました。国の領主が変わる度に挨拶に来ているとかラーシェン、マメですね。だからこそ、王として君臨できているのだとは思いますが。
ようやく人心地がついた後にラーシェンに膝枕をしてもらっているムイが可愛かったです。ラーシェンはプライドが高く、ムイのことが気になっているのに素直に気持ちが伝えられず意地っ張りでいじらしい姿は可愛いです。
でも、まだまだ自分の気持ちには気づかずにいる模様。
ムイもフィンドルも恋愛面に鈍いので、自分の気持ちに気づくにはまだまだ時間が必要のようです。


そして、ネーメイの一言が的確すぎて笑えました。締めの一言をありがとう。




 【ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ】その他の感想
 第1作 「はじまりは黒馬車に乗って」
 第2作 「王都の夜と婚約者」
 第3作 「ひねくれ執事と隠者の契約」



拍手

カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
フリーエリア

最新CM
[01/15 NO NEAM]
[11/05 マウス]
[09/28 りん]
[04/15 りん]
[09/03 めん]
最新TB
プロフィール
HN:
ナポリ
性別:
女性
自己紹介:
のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) ココナポリ All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]