忍者ブログ
超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
[140] [164] [169] [163] [134] [125] [101] [129] [139] [162] [155]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



初読み、伊吹幸太郎さん作品。


八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは? 今日を生きることの意味を知る物語。


裏表紙より引用


小惑星が地球に衝突し、地球が滅亡するまであと3年。当時の混乱で家族や恋人を亡くし、諦めたかのように暴動や凶悪事件が治まった束の間の小康を生きる人達のお話。短編集の形で8話ほど。残り3年という時間軸で物語が展開するもの考えさせられる。後、3年なのか。あと3年も、なのか。


小惑星が地球に衝突して滅亡、という設定はちょっと無理があるかもしれないけれど、(後書きにも書かれていたように)だからこそ描かれる確実に辿る「死」について考えさせられる作品だった。残された人生の中で彼らが生き、自分自身の価値観を持って生きようとしているのかがリアルに伝わってきた。最後の瞬間までがむしゃらに生きようとする姿には胸にくるものがある。


話の内容は重々しいけれど、軽快なテンポで勧める会話や独特の雰囲気で書かれる心情がいい。全8編あるけれど、全て前向きな姿勢で生きようとする姿にも終末にもかかわらず、ほんわりと胸が温かくなる。


どの短編もそれぞれパンチの効いていて、読み応えがある。個人的にお気に入りの物語は「太陽のシール」「鋼鉄のウール」「演劇のオール」。また、心に残る台詞が数多くあり、普段は当たり前過ぎて意識しない生きることについて深く考えさせられた。


短編に登場するキャラクターは、別の短編にも登場するのも面白い。連鎖的に広がる物語が、人々の世界を大きく構築している。終末とは思えないほどのんびりとしたような雰囲気やどこか飄々としながらも温かい登場人物達。自分だったらどうする、と終末について考えてみるものいいかもしれない。




拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可能にする    
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア

最新CM
[01/15 NO NEAM]
[11/05 マウス]
[09/28 りん]
[04/15 りん]
[09/03 めん]
最新TB
プロフィール
HN:
ナポリ
性別:
女性
自己紹介:
のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) ココナポリ All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]