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小野不由美が綴るホラー小説。


直樹と典子兄妹は、従兄弟の隆の家を訪れた。ここは、木蓮や馬酔木や海棠や空木などに埋もれた野草の里。まさに桃源郷だ。しかし、久方ぶりに会う隆の目は昏かった。そして、心やさしい隆が母親に冷酷な態度をとるのは何故。母子に、いったい何が!? 「あの女が、迎えにくる…」――隆は、幼い日の冷たい雨の夜を思い出し、直樹には、あの記憶が甦る。十七歳――少年たち(ふたり)を繋ぐ運命の春が来た。


裏表紙より引用


小野不由美さんと言えば十二国記、悪霊シリーズ、屍鬼が有名ですがこちらもおすすめ。私は「過ぎる十七の春」で初読みですが、元は「呪われた17歳」を改題、加筆訂正したものらしいです。


多くの花や野草が咲きほこるまるで桃源郷のような従兄弟、隆の家。毎年春と夏に直樹と典子はこの家に遊びに来る。しかし今年、遊びに来た隆の目は暗く、ある日を境に人が変わったかのように人が変わったように振る舞うようになる。そんな中、隆の母・美紀子が自殺する。自殺の理由を調べようと直樹は独自に探り始め、発覚する「菅田家の長男は17歳で母を殺す」という呪い。唐突に浮かび上がった隆の左腕のあざ。ついには直樹にまで魔の手が――――。


17歳に必ず起こる親殺しの一族、菅田家。直樹が過去帳を紐解き、真実に辿りつくまでが臨場感たっぷりで思わず一気に読み進めた。特にクライマックスに掛けての緊張感もヒートアップ。最後の対決シーンはホラーの定番だと分かっていても魅せられた。


ゴーストハント、悪霊シリーズに出てきそうな内容だと感じつつ、「人形の家」を思い出した。ただ幽霊を出して怖がらせるのではなく、子を奪われた母の悲しさ、執念深さ、母が子を、子が母をを思う気持ちともの悲しい真実を描かれているのが切ない。しかし最後は希望を持った終わり方だったので、読了後には清涼感が残りました。


野山や風景の美しさを喚起させる精密な文章、ホラーシーンの血生臭い描写のリアリティ、この対比がより恐怖を駆り立てている。背筋がぞくぞくする場面が多々ありました。本当に小野さんは上手い書き手さんだと思う。ホラーが苦手な人でもミステリーものとして楽しめると思います。


ちなみにイラストは波津彬子さん。どこかで見たことある絵だと思ったら「雨柳堂夢咄」の作者の方なんですね。内容にあったイラストがより恐怖を煽ります。ただ好き嫌いは別れるかな。




[小野不由美]その他感想

【悪霊シリーズ】感想
悪霊シリーズ第1作 「悪霊がいっぱい!?」
悪霊シリーズ第2作 「悪霊がホントにいっぱい!」
悪霊シリーズ第3作 「悪霊がいっぱいで眠れない」
悪霊シリーズ第4作 「悪霊はひとりぼっち」



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のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

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