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超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
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初読み、雫井脩介さん作品。


堀井香恵は、文具店でのアルバイトと音楽サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。友人との関係も良好、アルバイトにもやりがいを感じてはいるが、何か物足りない思いを抱えたまま日々を過ごしている。そんななか、自室のクローゼットで、前の住人が置き忘れたと思しきノートを見つける。興味本位でその ノートを手にする香恵。閉じられたノートが開かれたとき、彼女の平凡な日常は大きく変わりはじめるのだった―。


裏表紙より


始め、ミステリーものかと思って読み始めていたのですが想像していたものと違い出鼻を挫かれた感がありましたが読み進め、読み終わる頃には泣いてしまった。


物語は主人公である「香恵」の一人称で読みやすいが、始め途中途中に書かれる「伊吹先生」はいったい誰なのか頭をひねりつつ、読み、ノートを読み始めた辺りからどんどん物語に引きずり込まれていきました。


ぼけぼけした香恵が伊吹先生のノートを読む内に共感したり、応援していく姿に彼女が少しずつ成長していくようで読み手のこちら側も嬉しい。香恵は少し周りに流されやすく、それでも自分を探している姿にわかるなあ、と少し共感。天然で奥手な彼女が積極的にアプローチする場面には頑張れ!と思わず応援してしまった。


香恵がアルバイトをする中で登場する「万年筆」の説明も面白かった。普段触れる機会が少ないだけにこんなにも高価なのか!と目から鱗。けれど、私も似たような経験をしているだけに感慨も一入。思い入れのあるシーンでした。


また、ノートに登場する伊吹先生の子供達との愛情溢れるふれあい。真摯な態度。教育に対する熱意。4の2を家族にしよう。素敵な先生です。ノートに描かれる等身大の彼女は教育現場での「先生」としての自分と、久々に再会した「隆」との恋の悩み。途中で展開は読めてしまうのだけれども、それでも香恵の感情の変化が読んでいてとても心地よかった。今まで出会ったことがないのに、語りかけ、力をくれる伊吹先生の存在感が本書の中に満ちあふれていた。何となく香恵よりも伊吹先生の方が思い入れが強く書かれている印象だっただけに、あとがきに書かれた一文に納得。


最後の展開には目頭が熱くなり泣いた。そして伊吹先生に触れ、少しずつ彼女に似てきた香恵が最後にポカをするところには思わずニヤリ。香恵はそうでなくては!


割とあっさりと物語は終わり、続きは?この後どうなるの?と気になりつつも良い幕引き。切なく、心温まる物語でした。




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