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超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
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小野不由美が綴るホラー小説。


直樹と典子兄妹は、従兄弟の隆の家を訪れた。ここは、木蓮や馬酔木や海棠や空木などに埋もれた野草の里。まさに桃源郷だ。しかし、久方ぶりに会う隆の目は昏かった。そして、心やさしい隆が母親に冷酷な態度をとるのは何故。母子に、いったい何が!? 「あの女が、迎えにくる…」――隆は、幼い日の冷たい雨の夜を思い出し、直樹には、あの記憶が甦る。十七歳――少年たち(ふたり)を繋ぐ運命の春が来た。


裏表紙より引用


小野不由美さんと言えば十二国記、悪霊シリーズ、屍鬼が有名ですがこちらもおすすめ。私は「過ぎる十七の春」で初読みですが、元は「呪われた17歳」を改題、加筆訂正したものらしいです。


多くの花や野草が咲きほこるまるで桃源郷のような従兄弟、隆の家。毎年春と夏に直樹と典子はこの家に遊びに来る。しかし今年、遊びに来た隆の目は暗く、ある日を境に人が変わったかのように人が変わったように振る舞うようになる。そんな中、隆の母・美紀子が自殺する。自殺の理由を調べようと直樹は独自に探り始め、発覚する「菅田家の長男は17歳で母を殺す」という呪い。唐突に浮かび上がった隆の左腕のあざ。ついには直樹にまで魔の手が――――。


17歳に必ず起こる親殺しの一族、菅田家。直樹が過去帳を紐解き、真実に辿りつくまでが臨場感たっぷりで思わず一気に読み進めた。特にクライマックスに掛けての緊張感もヒートアップ。最後の対決シーンはホラーの定番だと分かっていても魅せられた。


ゴーストハント、悪霊シリーズに出てきそうな内容だと感じつつ、「人形の家」を思い出した。ただ幽霊を出して怖がらせるのではなく、子を奪われた母の悲しさ、執念深さ、母が子を、子が母をを思う気持ちともの悲しい真実を描かれているのが切ない。しかし最後は希望を持った終わり方だったので、読了後には清涼感が残りました。


野山や風景の美しさを喚起させる精密な文章、ホラーシーンの血生臭い描写のリアリティ、この対比がより恐怖を駆り立てている。背筋がぞくぞくする場面が多々ありました。本当に小野さんは上手い書き手さんだと思う。ホラーが苦手な人でもミステリーものとして楽しめると思います。


ちなみにイラストは波津彬子さん。どこかで見たことある絵だと思ったら「雨柳堂夢咄」の作者の方なんですね。内容にあったイラストがより恐怖を煽ります。ただ好き嫌いは別れるかな。




[小野不由美]その他感想

【悪霊シリーズ】感想
悪霊シリーズ第1作 「悪霊がいっぱい!?」
悪霊シリーズ第2作 「悪霊がホントにいっぱい!」
悪霊シリーズ第3作 「悪霊がいっぱいで眠れない」
悪霊シリーズ第4作 「悪霊はひとりぼっち」



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ダン・サリエルシリーズ第2作!


現状を抜け出せないでいる自分とは違い、きらびやかなステージに立った幼馴染みの少女リジアに、アマディアは嫉妬と羨望を覚えていた。しかし、ひょんなこ とから再会した本人は、意外にも現状に満足しておらず「自分の音楽」を目指したいのだという。そんな彼女を事務所に招待するサリエル。だが、彼女をプロ デュースしているのは、なんとサリエルのかつての相棒、「イドラの魔術師」と称されるハセ・シャルマだったのだ。
表題作『ダン・サリエルとイドラの魔術 師』の他、忙しくも愉快なサリエルやモモ、コジ、そしてアマディアたちの日常を描いた第2弾、ついに登場!



裏表紙より


相も変わらず唯我独尊が似合うサリエルと弄られるモモに完全にただのぬこ化が進行しているコジ、そしてアマディア。今回は前回よりはコメディ色は薄れましたが、二話後半からの追い上げで爆笑しっぱなしでした。面白すぎるモモとコジ。しかもすっきりとした終わり方で後味が良かったです。


今回一番頑張ったのはアマディアな気がします。音楽家の名門一族に生まれ、かつては将来を期待された神童だが、極度の上がり症で中々自身の才能を人前で疲労することが出来ない彼女が久しぶりに会った幼馴染と話し合い、一皮剥けたのは読み手として嬉しかったです。特に、楽屋にもどってきたリジアに活を入れる シーンはすっきりしました。うん、アマディアの言う通り。良いこと言ったよ本当に。
そして、初めて久しぶりに出会ったシーンでのあからさまに「や・ば・い・!」と言った顔のアマディアと爽やかな笑みを浮かべたサリエルの笑みに爆笑しました。コメディとシリアスの割合がホントいい。


今回は全編通して音楽で生きていくことの難しさが痛感しました。キャラクターそれぞれの葛藤や内面が手に取るように伝わってきてリアルに登場人物を感じることが出来、読み応えがありました。それぞれの音楽に対する考え方や悩み、姿勢が面白い。特に、絶対的な答えがないからこそ深みが出ている気がします。新キャラも現れ、果たしてサリエルの過去に何があったのか。早く新刊でないかな、と思いつつもあざのさん今新作書いているようなので暫くこちらは後かな。新作の陰陽師物も気になるところです。




【ダン・サリエルシリーズ】その他の感想
第1作 「ダン・サリエルと白銀の虎」



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神曲奏界ポリフォニカシリーズ「ダン・サリエルシリーズ」1作目!


新進気鋭の音楽家にして、神曲楽士のダン・サリエル。世間でその才能は高く評価されているものの、性格はといえば、傲岸不遜で傍若無人、唯我独尊 な俺様――である。そんな彼がある日、一柱の上級精霊コジと出会った。この精霊がいたく気にいったサリエルは、珍しく自ら契約を申し出た のだが、すげなく断られてしまうのだった。そこで意固地になったサリエルは、なんとか彼と契約を結ぼうと計略するのだが……。
表題作のサ リエルと、コジ、アマディアの出会いを描いた『ダン・サリエルと白銀の虎』ほか、全4作品を収録。サリエルの華麗な名演をご堪能ください。


裏表紙より


ポリフォニカシリーズは赤、黒、白と読んでいるのですがこれはまた他の長編と違い、短編集なのでさくっと読めます。あざの耕平さんはBBBで読んでいたので、ポリフォニカシリーズが気になっていたから、というのもありますが、実のところ作家買いしました。あざのさんの文章とテンポの良さが大好きなんです。


閑話休題


登場人物達がみんな魅力的で、人間くさく、活き活きと輝いていて良い。
特にサリエルの性格が最高に良いです。自分の道に絶対の自信を持ち、不埒千万と暴虐無人と傲岸不遜を掛け合わせた俺様な所もありますが、意外とナイーブな所が好きです。出来る人だからこその音楽に対する姿勢や自分の中にある葛藤が読んでいて良い苦味になっていて読み応えがありました。今後のサリエルの音楽活動が気になるところ。
そして、契約精霊であるモモが可愛すぎる。サリエルとセットが一番しっくり来て読み手としては楽しくてしょうがないです。わんわん体操が是非みたい。
題名にある白銀の虎ことコジとその契約・・・になる予定のアマディアも一癖ある登場人物。とにかくコジが格好良くて可愛い。にゃーとかわざとらしく言っているのは想像するだけで可愛くて堪りません。ぬこ可愛いよぬこ。アマディアは開花した瞬間恐ろしいことになりそうな(勿論良い意味で)逸材ですね。ただ果たしていつになったら開花するのか・・・。開花するときが楽しみですが、成長する過程がどうなるのか楽しみ。


各短編とも落ちが逸材で読み応えがあり、テンポ良く、すっきりとした後味がいいです。全話通して楽しんで読めました。コメディだけではないところがいいです。他のポリフォニカシリーズよりも音楽の辛さや葛藤が出ている気がします。ポリフォニカシリーズを読んだことのない人でもさくっと読めて楽しめます。かなりオススメ。





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死神姫シリーズ1作目。


没落貴族の娘で14歳のアリシアは、後見人の叔父により家名が欲しい金持ちへ嫁がされるが、なんと結婚式の途中新郎が急死してしまう!
この「事件」がもとで『死神姫』と呼ばれるようになってしまったアリシアに、再婚話が持ち上がった。相手は新興貴族の成り上がり者でとかく噂のある“強公爵”ライセン。馬車に揺られて着いた先は、怪しい装飾を施された屋敷とライセンの愛人と主張するメイドのノーラ!?
第9回えんため大賞ガールズ部門奨励賞受賞!の軽快コメディ。


裏表紙より
 


想像していた以上におもしろかったです。主人公が良い味出してました。初めからぶっ飛びまくった性格に笑いっぱなしでした。内容はシリアスシーンが多い割に、主人公のアリシアの天然が炸裂してぶち壊し。アリシアの天然ぶりが最高でした。それに振り回される周りの人達が笑えます。


果たして問題の強公爵カシュヴァーン。イラストから20代後半のイメージだったのですが・・・・そうですか。そんな年齢でしたか。確かに暴君と呼ばれるにふさわしい行動でしたが、全てアリシアに受け流されている辺りが笑えました。合理的な姿を気に入っていましたが、最後はちょっとだけアリシアに対する態度が変わっていたので今後が楽しみなところ。


ラストは衝撃の終わり方でした。流石アリシア。一筋縄ではいかない辺りがいいです。まさかぷすっとやっちゃったとか、普段からどんな物食べてるんだよと突っ込みつつも次に繋がるいい終わり方でした。
まだまだ2人は恋愛に発展していませんが、(アリシアと恋愛・・・想像がつかない)領地や宗教的な問題について今後どう発展していくのか楽しみ。




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ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ8作目であり、最終巻!


ティッセとも和解し、久しぶりに訪れた平和が破られたのは突然だった。ムイの前に現れたラーシェンが告白し、それを見たフィンドルがいきなり唇を奪ってきたのだ。混乱するムイにはさらなる災厄が!
グリジスの策略で、バレンとの婚約が進んでいた。しかもバレンを領主にし、ムイは領主を解任するという。今度はもう逃げられそうにもなくて…!?人気シリーズ、ついに完結。


裏表紙


最終巻。最後少し駆け足になってしまって残念なところもありましたが(主に恋の決着)、領主の方は綺麗に決着がついてホッとしました。
相変わらず姑息なあの手この手を使ってくるグリジスにキッパリと拒絶したバレンさんが初めて(それもひどいな)格好良く見えました。印象的だったのは「ひょっとして・・・・ムイさんは僕のことが好きじゃにのか・・・・」今更!いや、でもようやくその事実に辿り着いてくれてよかったですが、やはり彼は彼のままですね。いつも通りのポジティブさを発揮してくれました。最後にがつんと行ったラーシェンとフィンドルに良くやったと言いたい。
この経験から良い王様になればいいのですがグリジス・・・。


恋の決着は、無理矢理どちらかに決めてしまうよりはこちらの方が後味は良かった気がします。大円団ですね。ただ、ラーシェンが王道なきっちりとした告白をしたことに対し、フィンドルがやらかしてくれました。少しフィンドル有利で終わったかな。
ティッセの方も憑き物が落ちたように変化したのが嬉しかったです。前よりティッセとキハネの仲が良くなった気がして良かった。この姉妹可愛いです。そして、キハネとアーレンの今後が気になるところ。むしろこっちが読みたいと思う私は邪道ですかね(笑)


また、最終巻には短編が二つ。どちらも告白前のつんつんしていることだったので読んでいてそのギャップが笑えました。この頃も好きです。むしろ最後よりも中盤の雰囲気の方が好きだったかも知れません。特に新しい契約書探しの所が個人的に大好きだったので。
世界観や柔らかい雰囲気が好きな物語だっただけに駆け足で終わってしまったのは残念です。恋の終わりについては完全にムイの心がどちらかに傾いた終わりも見たかったです。



 【ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ】その他の感想
 第1作 「はじまりは黒馬車に乗って」
 第2作 「王都の夜と婚約者」
 第3作 「ひねくれ執事と隠者の契約」
 第4作 「わがまま王子と魔女の誘惑」
 第5作 「魔法の指輪と失くした思い出」
 第6作 「裂かれた姉妹と王子の厄災」
 第7作 「恋の行方とさらわれた騎士」



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ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ7作目。


ケトア平原の屋敷には、領主と契約しようと森の住人が大挙して押し寄せていた。そして、ムイはフィンドルとラーシェンを意識してしまい、まともに顔も見られない状態が続いていた。
そんな中、キハネをそそのかし契約書を盗み出したティッセは、アーレン達を使い、メージェレに攻め入ろうとしていたのだ!
クライマックスへ向けて、シリーズ急展開!番外編『星祭りの夜に』も収録。

裏表紙より


今回序盤で現れたグリジス弟が可愛くて仕方がなかった!
お兄ちゃん大好きっ子何ですね。一生懸命暗闇で作ったクッキー、絶対食べ物じゃない、何でお前の手作りなんだと言いながらちゃんと食べてあげているグリジスが笑えました。まあ一言で切ってしまいましたが。
グリジスも色々大変なんだいうことは分かりますが・・・まだ彼の策略は続きそうです。


そして、ある意味最終決戦といえるであろうティッセの行動。
これまでの綿密な行動が表に出た瞬間一気に終わってしまって少し拍子抜けしてしまいました。もっと何かあると思っていただけにちょっとあっさりしすぎていた気も。でも最後はようやく仲直り。ホッとしました。
後、ティッセ側の犬顔の人良い味出してますね。あの人がいたからこそティッセの暴走が止まったので。
何だかんだ言ってキハネの行動が可愛すぎました。羊の姿になったときはどうなるかとはらはらしたのですが、元々可愛いのにそんな行動されたら、可愛すぎますキハネ。


次で最終巻とは・・・。もっと続く物だと思っていたのでかなり残念です。
果たしてどうやって三角関係を終わらせるのか。どちらかを決める、ということなしにノーマルエンドになりそうな予感が。
でも無理矢理相手を決めて終わらせるよりは良いのかな。


また、今回はシリーズ番外編「星降る夜に」が収録されていて、夏休みに入ったばかり、キハネとティッセが仲が良かった頃のお話。
灯蝶、名前も綺麗ですし、夜に羽化するということで綺麗な物だと想像していましたが・・・かなり予想外の姿をしていて驚きました。やっぱりこの世界観が好きだな、と改めて思えたお話でした。




 【ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ】その他の感想
 第1作 「はじまりは黒馬車に乗って」
 第2作 「王都の夜と婚約者」
 第3作 「ひねくれ執事と隠者の契約」
 第4作 「わがまま王子と魔女の誘惑」
 第5作 「魔法の指輪と失くした思い出」
 第6作 「裂かれた姉妹と王子の厄災」



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ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ6作目。


夏休みが終わって都に戻ったムイは、契約書の材料も集め終え、ようやく普通の生活に戻れると思っていた。だがティッセの策略でナナサ国王が森を訪れることになってしまった!
契約書が崩壊寸前だということを秘密にしているムイは、新しい契約書の完成を急ぐが、ふとした事がきっかけで、フィンドルとラーシェンを顔も見られないくらい意識してしまい、関係がギクシャクしだして――――――。

裏表紙より


ついにムイが2人のことを意識し始めました!
ようやく恋愛路線に乗り始めてほっとしつつも、まだまだ時間が必要そうですね。
といっても読んでいるこちら側は楽しくて仕方がないのですが。
ラーシェンとフィンドルの2人がムイのお菓子を掠め取っていくシーンが笑えました。
が、私的にはムイよりもキハネとアーレンが気になって仕方がない!とっても良い感じな雰囲気にアーレンが報われ初めてかなり嬉しいです。


それと、ようやくティッセの裏にある背景も見えてきました。そんな裏事情があるからピクテ・シェンカの森では満足できなかったのですね。政治的な駆け引きが好きだというのならば、こんなに静かで落ち着いた場所ではと思うけれどそれとムイを殺そうとすることは直結しないと思うのですが。
うーん・・・でも彼女はグリジスとは違いかなりまっとうな悪役かなとは思います。わかりやすいですし。


そして、ついに王様に尻尾を掴まれたグリジス。
と同時に新しい契約書について知られてしまったけれど、きちんと説明したら分かって貰えて良かった。個人的にはグリジスの陰謀を全て知られてすっきりしたのですが、彼はまだ諦めそうにないですね。「あの小娘共め!」と捨て台詞を吐いていますし。
確かに優しいだけでは王様にふさわしくないですが、どうなんだろう。彼の場合軍事思考に行き過ぎじゃ無かろうか。


今後気になるのはティッセと、盗まれた契約書に名前を書いてしまったアーレンとキハネ。次の巻当たりでティッセの方も決着がつきそうな雰囲気ですね。次巻が楽しみ!





 【ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ】その他の感想
 第1作 「はじまりは黒馬車に乗って」
 第2作 「王都の夜と婚約者」
 第3作 「ひねくれ執事と隠者の契約」
 第4作 「わがまま王子と魔女の誘惑」
 第5作 「魔法の指輪と失くした思い出」



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ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ5作目。


普通の少女だったムイは、祖父から領地を受け継ぎ、ピクテ・シェンカの森の領主となった。しかし、森には異界から来た魔物たちが棲んでいた。
以来、なんとか魔物たちとも仲良く暮らしてきたのだが、ある日森に棲む狼の王・ラーシェンから贈られた指輪をつけたムイは、突然子供の姿になってしまった!
そして記憶が次々と消えてゆく中、ムイは謎の男に連れ去られてしまい!?

裏表紙より
 



「フィー遊びに来てくれたんだね!」
初っ端からかましてくれました。だめだ笑える。
双子とフィンドル(フィー)の攻防が笑えて仕方ありません。双子のタックルをムイを抱えて華麗に避けるところもいいのですが、フィンドルが「ばーか」とか使っちゃう辺りが笑えます。その悪い言葉を気に入って(格好いいと思って)ムイが無邪気に“ぶちころす”“しね”とか言っている辺りフィンドルの口の悪さが伺えます。というか“うしのでかぶつ”とか“つばさのはえたガキ”とか。誰なのか速攻で分かってしまう。笑える。
小さい頃の2人って双子じゃありませんが最高に可愛い。


閑話休題。


そして今回ようやく契約書の材料は残り一つとなったものの、材料探しをしすぎて溜まった宿題を片付けるはめに。大量の宿題を片付けつつ、気分転換に窓を開けたら契約書がバラバラに!
慌てて契約書をまとめたものの一瞬完全に契約が解けてしまったらしく、以前契約を破って羊になってしまったロロパが人になってしまったりとそろそろ本格的に契約書の危機。
そこで、今一度クトーに相談しに行こうとしたところでラーシェンから指輪を渡される。その指輪をはめたときからムイは子供の姿になってしまった。


子供の姿になったムイに双子が暴走。元々子供好きな種族で子供を巡って争いすら起こってしまう人達なので暴走することは目に見えて分かっていましたが、・・・・・・暴走しすぎです2人とも。
双子の異常なまでの暴走の理由は大好きなムイがそのまま大好きな小さな子供になってしまったから。思考が危ない方向へと(犯罪)向かってしまっていて怖いくらいです。


難を逃れてフィンドルと共に森へと行くムイだが、ふとした瞬間に昔のことを思い出し始める。それに比例して無くなっていく現在の記憶。自分の記憶に違和感を覚えながら宿題を終わらせる日々を送っていると、見たこともない男性に出会う。


そしてこの男性こそ、ルイとリアーニの父であり、かつて町から子供を攫い、ムイが可愛がっていた羊だったと。もう、この人。ルイとリアーニを軽く越える子供好きです。
小さい頃しか面倒見無いとかどういう事よ。大きくなったらぽいっと育児放棄。子供を攫ってくること多々あり。
母親が小さい頃から説明したおかげで2人はぎりぎり許せる範囲で父親を嫌っていますが、ルイとリアーニが父親が嫌いな理由が実によく分かりました。
意外と苦労人です、2人とも。


そして、この父親に攫われてしまったムイはこの辺りから完全に今の記憶が消えてしまう。
最終手段としてフィンドルが指輪に手袋なしで触れて灰に。
ここでようやくフィンドルなりにけじめがついたのではないかと。素の言葉を喋るフィンドルが良かったです。
でも、大きくなる前に服を着替えさせるとかコートを羽織らせておく等配慮をしてほしかった。


ここまできてようやくラーシェンが登場して真相が分かり、アメケージュが指輪を渡した張本人だと発覚。鱗を渡す相手の記憶が欲しい、とのことでラーシェンが仕方なくムイに指輪を渡すこととなったのだが、鱗を渡す為とはいえ、実は30年分の記憶をとっていたらしい。
以前に記憶に対する魔法をかけていなかった場合最悪存在が消えていた危険性が・・・。
そして、ようやくアメケージュの鱗を手に入れてこれでようやく契約書の材料が全部集まりました。
しかしムイを気に入ってアメケージュが森に住むことに。よかったのか、悪かったのか・・・。けれど今後また出てきて欲しいキャラ(魚?)です。


そして、ようやくラーシェンが自分の気持ちに気がつきました。おめでとうラーシェン。
けれど敵はかなり手強く全く気づいていない模様。
果たしてこれからどうなるのか、恋愛面がおもしろくなってきました!






 【ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ】その他の感想
 第1作 「はじまりは黒馬車に乗って」
 第2作 「王都の夜と婚約者」
 第3作 「ひねくれ執事と隠者の契約」
 第4作 「わがまま王子と魔女の誘惑」



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悪霊シリーズ5作目。


今回の調査は、この館で数知れない人間が姿を消しているという幽霊屋敷。建てられてからも増改築を重ね、いまや106室を数える異様な洋館だ。しかし、建物の外周と内側の寸法が一致しない―隠し部屋?
呼び集められたのは、「渋谷サイキック・リサーチ」組を含めて総勢20名。その中から3人が消え、そして、ついに麻衣が連れ去られた。そこは血に塗りこめられた部屋。喉には冷たい包丁が。夢なら、ナルの腕の中で覚めさせて。

BOOKSデータベースより


この話はシリーズでも1、2を争う怖い話だと思います。
漫画でも怖かったのですが、文章で読むとより怖かったです。
内容を知っているのに夜中に読んだ私が馬鹿でした。(しかも読み終わったのが丁度午前2時30分)でも一度読むと展開が気になって怖くても読んでしまう罠。
怖くて寝られなくなり、電気を付け、怖いからと玄関にいる家の犬を呼び寄せてようやく眠ることが出来ました。どんだけ。


そんなことは置いておいて本題へ。


事務所に現れた「森まどか」と名乗った女性はリンさんやナルと親しげな様子。はじめはリンさんの恋人なのかと疑っていたら実はナルのゴーストハンタ-としての師匠だった。
彼女の依頼で日本の元首相の依頼を受けることに。しかしここでもマスコミ嫌いなナルは安原君を所長代理として仕立て、幽霊屋敷へと向かう。


安原君再登場!嬉しいなと思いつつ、流石元生徒会長。あだ名「越後屋」。幽霊屋敷ではたっぷりとかましてくれました。そして、彼の有能さが浮き彫りになった話でもあると思います。
そして初登場のまどかさん。
この人が登場するとナルが普通の17歳の男の子に見えていいです。「この子」発言は笑えます。この人のゆったりとした独特の雰囲気としゃべり方好きです。
漫画で登場したときは始めあまり好きではなかったのですが、回を追う事に好きになりました。
それと、文庫版の漫画にあったショートストーリーもおもしろかったです。


今回行った先が古い洋館。いかにも何か出そうな雰囲気のたたずまいの幽霊屋敷。
しかもそこは無数の部屋があり、計測すると内側と外側で大きさが違ったり、扉を開けると壁、窓を開けると部屋に繋がっていたりとかなりおかしな設計になっている。
そんな幽霊屋敷にて麻衣達渋谷サイキックリサーチの他にも霊能者が集められて調査をすることに。その中には業界で有名なオリヴァー・デイビス博士がいた。
そして真砂子は言う。「血の臭いがする」、と。


依頼代理人の大橋さんにさらっとナルが嘘をつくシーンに笑えました。何でそんなにさらっと嘘がつけるのか。
そして上手く話を誘導していく安原君も良い役しています。それと井村さんを丸め込めたときの鮮やかな嘘の付き方!微妙に史実に基づいた話の展開が笑えました。
これ程ナルの代役に適した人材もいないです。ナイス人選。
そしてシリーズ5作目にしてようやくリンさんの本名と出身地が明らかに。この後、麻衣と話して和解したシーンがすごく好きです。リンさんが声を上げて笑ったことにはかなり驚きました。
ようやくリンさんとも少し近づけた感じが嬉しかったです。
と、同時に今まで謎だった麻衣の素性も明らかに。まさか孤児だったとは思わなかったので、漫画で読んだときかなり驚いた記憶があります。
苦労しているのに感じさせない麻衣の明るさが好きです。


調査を始めてから数日、降霊会をするという。誘われた麻衣達一行も参加し、鈴木さんという女性が降霊を試みた。すると鈴木さんが突然紙に何かに操られたかのように文字を書いていく。と同時に起こり始めるラップ音。
紙に書かれていた文字は全て「助けて」。しかし一枚だけまるで血で書かれたように「死にたくない」と書かれていた。ビデオを再生すると死にたくない、という文字だけが何も書かれていない紙に文字だけ浮かび上がったことが分かった。
そして翌日、鈴木さんが消えた。しかも調査を進めていくうちに1人、また1人と人が消えていく。
何度も探したが見つからない。本来なら行き止まりの所に行ったはずなのに近くをどれ程探しても見つからない。緊張感の中、麻衣は夢を見る。

自分が殺される夢を―――――。


この辺りからホラー要素が強くなりつつもミステリー要素も増えてきました。
隠し部屋が見つかった中からは白衣や肖像画が見つかったりと手がかりが増えてくる。そして、本来は行き来してはいけないがこっそりと情報を届けに来るまどかさんの助けもあり、次第に謎が解明されていく所は読んでいてすごくおもしろい。
肖像画の浦戸=鉦幸氏だった辺りから段々ときな臭い雰囲気に。

そして、麻衣の夢が怖すぎる。実際にかつて屋敷で殺された人の夢を見てしまったらしいがここの描写が怖い。じわじわと恐怖がせり上がってきて背筋の寒気が止まりませんでした。
特にベットに寝せられた後に迫ってくる包丁。
ここは漫画も読むとすごい臨場感が出て怖いです。ベットに寝せられた後に視点が逆さまになった辺りとか本当に怖い。


麻衣の夢から推測される“処刑室”は今まで調べた屋敷の中には見つからない。後調べていないところは屋敷の中にぽっかりと空いた空間だけ。最終手段として壁を破ることに決まったが、また人が1人消えた。
消えた人達の共通点として20代以下の若い人が好きだということがわかり、鈴木さんが亡くなったと仮定して魂よばいをすることに。
リンさんが魂よばいを行い、影のように現れた鈴木さんは自分が死んだことに気がついていなかった。そして、最後に浦戸という人物を知っているかという質問に鈴木さんは「ヴラド」という血文字を残して消えた。導き出された答えから鉦幸氏、つまり浦戸はまだこの屋敷に内にいて生け贄を求めている―――――。

ぽっかりと空いた空間に入るため、壁を壊して中に入ったそこには数ヶ月前に姿を消した人の死体だった。空間をねじ曲げなければ入れない場所に人を移動させる。かなりの力を持たなければ到底不可能なこと。
浄霊、除霊を含め不可能と判断した一行は撤収準備を始めたが、目を離した隙に真砂子が壁の向こう側に連れ込まれてしまった!


事件が一段落し、しかも本当の依頼は「南さんが連れ歩いているオリヴァー・デイビス博士が本物かどうか」だったり。調査が狙いではなかったとは予想外すぎる。
しかもようやく帰る段階になってのまさかの真砂子の失踪。
既に殺されているかも知れないそんな危険な状況でついに麻衣の能力が発動。幽体離脱をして真砂子の元に行った件に麻衣の能力上がりましたね。すごすぎる。
でもその後に対峙した浦戸本人の描写が怖い。血の溜まったバスタブから出てくる浦戸が怖すぎる。
ここも漫画と一緒に読むとかなり怖いです。ついでにアニメも見ちゃうとなおさら怖いです。以前借りてきて見たのですが色と音と声が入ると怖さが倍増しますね。怖くて堪らないです。

すごく怖くて身震いしますが(もう本当に怖いしか書いてないな)、話の展開やミステリー要素がおもしろくて何度も再読したくなる話でした。




 【悪霊シリーズ】その他の感想
 悪霊シリーズ第1作 「悪霊がいっぱい!?」
 悪霊シリーズ第2作 「悪霊がホントにいっぱい!」
 悪霊シリーズ第3作 「悪霊がいっぱいで眠れない」
 悪霊シリーズ第4作 「悪霊はひとりぼっち」



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ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ4作目。


魔物の棲む森の領主になった少女ムイは、国王から城に呼び出されていた。以前、都で森の魔物が起こした騒動がばれたのかと思い、こわごわ登城したムイを待っていたのは、次期国王となる青年グリジスだった。
王になるための通過儀礼として森を訪れたグリジスは、森の住人たちの異能を知り、私欲のために使おうと画策し始めた!
反対したムイは森に入ることを禁止されてしまい…。
裏表紙より
 


前巻の終わりで王様が登場し、きな臭い雰囲気になってきていたので今回は陰謀がメインになるのかな、と思いきや割といつも通りのほのぼのしたシーンが多かったです。
もちろん、陰謀めいた話が多かったのも事実ですが、正直もっと多いと思っていたので少し肩すかしを食らった感じです。
今回は王城、王様、王子様メインのお話になるので契約書の材料探しは一旦おやすみでした。


城に着いた先で出会ったのは王様、そして次期王様である「グリジス」。
この次期王様、病弱で身体が弱い。そんな状態の人を果たして王にして良いのか・・・。しかも次期王様になる予定だったグリジスの父は「家を護るだけで精一杯なので」といいつつ真意は「王になるのが面倒くさい、なりたくない」だったり。
・・・大丈夫か、王様の家系と心配になりました。


しかし、予想に反してグリジスは野心家でした。
王の通過儀礼として森に連れて行って欲しいという王様の真意には森の秘密を探ること。しかし、彼らの存在や力を目の当たりにし、私欲のために利用できないかと考え始めた。
完全にこの人の判断基準は人を使えるか使えないか、利用できるか利用できないかでしか考えていません。
王として良いか分かりませんが、忠誠を誓ってくれる人が少なそうですね。人柄的に。
例え忠誠を誓っていても上辺だけで、信用出来ない人だったり。
果たして良い王へと成長してくれるのか・・・。でも、良い王になったとしてもムイにとって信頼できる王にはなりにくそうですね。
というか、いい王に成長する前にいろいろと策略していたことが王様にばれて王の座から降ろされたりして。十二分にあり得るような。


そして、森の住民達の悪口をいうグリジスに我慢できずにムイが口を出してしまったばかりにグリジスの機嫌を損ね、しかもそこに黒幕ティッセが接触し、グリジスを上手く利用し始める。
今回思ったのは、グリジスやティッセなど悪役(?)の書き方が上手いなと。その分悪役が上手いと物語に深みが出て、よりムイ達が引き立っていました。
そしてようやく尻尾を出したティッセ。キハネとケンカ別れをして出て行ったが、真相がばれてしまって出て行ったわけではないので今後、グリジスとティッセの行動が鍵になりそうです。


今回はストーリー上恋愛面薄め。ただ、どちらかといえばラーシェンが頑張りつつ影でこっそり動くフィンドルもよかったです。
それと、森狼の王として仕事ぶりを初めて見ました。国の領主が変わる度に挨拶に来ているとかラーシェン、マメですね。だからこそ、王として君臨できているのだとは思いますが。
ようやく人心地がついた後にラーシェンに膝枕をしてもらっているムイが可愛かったです。ラーシェンはプライドが高く、ムイのことが気になっているのに素直に気持ちが伝えられず意地っ張りでいじらしい姿は可愛いです。
でも、まだまだ自分の気持ちには気づかずにいる模様。
ムイもフィンドルも恋愛面に鈍いので、自分の気持ちに気づくにはまだまだ時間が必要のようです。


そして、ネーメイの一言が的確すぎて笑えました。締めの一言をありがとう。




 【ピクテ・シェンカの不思議な森シリーズ】その他の感想
 第1作 「はじまりは黒馬車に乗って」
 第2作 「王都の夜と婚約者」
 第3作 「ひねくれ執事と隠者の契約」



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のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
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