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超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
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しゃばけシリーズでお馴染みの畠中恵さんによる短編集。


お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟二人で切り盛りする小さな店「出雲屋」。鍋、釜、布団と何でも貸し出す店ですが、よそにはない奇妙な品も混じっているよう。それらは、生まれて百年を経て、つくもがみという妖怪に化した古道具。気位高く、いたずら好きでおせっかい、退屈をもてあました噂超大好きの妖たちが、貸し出された先々で拾ってくる騒動と来たら・・・・・・! ほろりと切なく、ふんわり暖かい、極上畠中ワールド、ここにあり。


裏表紙より引用


舞台は江戸時代、人情溢れる深川。そこで古道具屋兼損料屋「出雲屋」のお紅と清次の姉弟が人間サイドの主人公。彼らは、『つくもがみ』が宿った古道具達を貸し出して生計を経てている。ちなみにつくもがみとは100年の年月を経ると妖しの力を携えた物のこと。


損料屋については別の時代小説で読んだ際にその存在を知りましたが、その貸し物に「付喪神」が宿っている、という設定が面白い。また、しゃばけシリーズ同様、妖怪が登場する物の、彼らは己が「付喪神」であることを誇りに思い、同時に気位が高いので人間と会話はしません。借りた先での情報収集が物語の原動力になってはいるものの、付喪神同士の会話を清次やお紅が聞き耳を立てる、というのが基本スタンス。


その為、先々で起こる問題を解決させようと付喪神達を情報収集させようとしても人間の思うような情報を入手せず、己の知りたい情報だけを仕入れてきたりと中々気難しい。勿論、欲しい情報も持って帰ってくるのですが。その点、若旦那と手代達、周りの妖怪達と一緒に問題を解決するしゃばけシリーズとの大きな差かなと。


付喪神達はその長い生からか退屈気味で、悪戯好きかつ詮索好き。ぶつぶつと互いに話している姿は可愛らしいやら鬱陶しいやら。憎めない彼らが好きです。煙管(キセル)の五位、蝙蝠根付けの野鉄、掛け軸の月夜見(つくよみ)、姫様人形のお姫、櫛のうさぎなど付喪神達もバラエティーに富んだメンバー達がそろっていて面白い。


一方、人間サイドである清次とお紅の2人の男女の機微がとても上手く描かれていて読み応えがあります。共に店を営んでいて、清次はお紅を「姉さん」と呼ぶが彼らは本当の姉弟ではなく・・・・・・。清次はお紅を好いているけれど、お紅の中にはずっと前から忘れられない人がいて。謎解きをしながら見えてくる3人の人間模様に最後の最後までやきもきさせられました。最後にはこういう展開か、いや、そうこなくては!と納得&したり顔。まあ、もう少しお紅の心変わりが見え隠れしていたらより嬉しかったかな。


また、しゃばけシリーズでお馴染みのお和尚さんやお札の事が出て来ていたりと同じ世界観だということが分かり、それも楽しめた理由の一つ。最後の最後まで世界観を楽しみながらさくさく読めました。出雲屋の日々はずっと賑やかに続くんだろうな、と幸せな読了感でした。




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