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超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
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しゃばけシリーズ第1巻。


江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う・・・。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。


裏表紙より引用


「つくもがみ貸します」を読んでから無性に読みたくなったので再読。大筋はぼんやり覚えていた物の、忘れていた箇所が多かったので新鮮な気持ちで読み終えました。


安定した文章力と世界観、そして魅力的な登場人物達。人間しかり、妖怪しかり。中でも若だんな・一太郎のキャラクターが良い。多少世間知らずなものの、優しく思慮深く、いい男で江戸でも有数な豪商の一人息子。一見非の打ち所のない若だんなだけれども、唯一にして最大の問題が一つ。「超虚弱体質」(笑) ひ弱で虚弱な為に決めるべき所で格好良く決められないのだけれど、そこがまた魅力の一つ。体が弱いからと病に負けるでも、身内の甘さに委ねるわけでもなく、世界や己自身に向き合おうとする姿は清々しい。しゃばけシリーズの登場人物達はどこか完璧ではない辺りが好きです。


また、改めて読み直して感じたのが、菓子屋・美春屋の栄吉の存在がいかに若だんなにとって重要な存在なのか。勿論、手代や妖怪達も大切な存在ですが。同じ年頃の気の合う友人、という事も重要だけれど、もしも栄吉と友人関係を気付いていなかったら若だんなはもっと世間知らずだったかもしれないし、何より、物事の考え方や世間一般的な物事の見方など分からなかった部分も多かったのではないかと思う。両親と手代達も世間一般について教えるだろうが、大筋は教えられても細かいところは教えられないような気がするので(特に手代達は微妙に世間一般とはずれがあるので一層)。捕物帖で発揮されるの知識も栄吉からもらった物を生かしているように思う。


全体的ににほのぼのとして、劇的な展開があるわけではなく、派手さはない。けれど起こる事件は意外と凄惨で若だんなの出生の秘密にも驚かされる。穏やかさの中に悲しみや切なさがあり、優しさや暖かさ、そして笑いがある。日本の江戸という時代の裏ににある、妖しくも引き寄せられる世界観が堪らない。後を引くおもしろさが「しゃばけシリーズ」にはあるように思う。好きだなあ、しゃばけシリーズ。




【畠中恵】その他の感想
つくもがみ貸します



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