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超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
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「バッカーノ!」第10巻。ようやく監獄編&1934年完結。


アルカトラズを出所し、シカゴでミリアと落ち合うことになったアイザック。爆破事件を聞きつけてミリアと共にシカゴに戻ることになったジャグジー一行。ヒューイを殺すために刑務所の奥で暴れ始めたラッドと思惑を秘めたフィーロ。少しずつ狂い始めているレイルと、それを止めることが出来ない吸血鬼の面々。他人の迷惑を省みず、ひたすらに喧嘩を楽しむグラハムとクリストファー。そして、高みの見物をする権力者たち。三百箇所同時爆破と二百人の失踪事件。殺し屋と不死者を巡る騒動。混乱をきたす舞台に、全ての役者がそろった時、それぞれの配役が動き始める。そして、彼らの運命を弄ぶ者とは―。


カバーそでより


上巻2冊を踏まえての1934年完結編。バッカーノ!の完結編ではないので要注意。上巻で巻き起こった騒動を全て集約し、次の巻への伏線も残しつつまとめられています。ただ、伏線が気になるところなのできちんと完結していないことに不満を持つ人もいるかも知れなません。個人的にはまだまだ物語が続いて欲しいので気になりませんが。


登場人物の多さは相変わらずなのでここで混乱するかもしれないけれど、そこを乗り越え理解できれば面白さは文句なしだと思う。バラバラだったピースが埋まり始め、それが完璧な絵にならない辺りがバッカーノらしいかなと。


特に笑ったのは酒場「ドルテェ」での出来事。オーナーである老夫婦が店を始めて30周年の記念すべき日。始めにラミアのふたり、詩人とシックル。そこに現れるグラハムと仲間達。さらにクリストファーとリカルド。会ってそうそう喧嘩を始めるグラハムとクリストファーに水を差す(言葉通りに)リカルドが笑えました。さらにグラハムを追ってきたジャグジー一味。確かに、ココまで集まるのは不自然だなと思っていただけに、その後の展開に納得。本当にシャムは手広くやってる。そして、バーベキュー・リブが食べたくなったのは私だけ?


今更ですが、リーザとシャムの双子って『2001年 The Children Of Bottle』で登場した双子ですよね? ここから既に伏線が!

(追記)
水を使った仕組みは同じでも、今巻に出てきたシャムとリーザの2人は2001に登場してないとのこと。完全に誤解してました。教えていただきありがとうございました! 混同したままでいるところでした。えーっとお返事をどこに書くか迷ったあげくここに書かせていただきました。変なところですみません(汗)



今回特にフィーロの活躍が目立った気がします。ようやく報われ始め、エニスも良いですがリーザも気になるところ。クリストファーやラッド、グラハムもクールだったがやっぱり一番はアイザックかな。颯爽と現れ、救った彼には脱帽です。ようやく再会したミリアとアイザック。ふたりが一緒にいるのが一番です。最高のカップルです。


果たしてヒューイの片眼を手に入れたルネの目的は何なのか。そしてルネさんが怖すぎる。彼女とその取り巻きが今のところ一番不気味。また、リーザとシャーネの母親らしき表現も気になるところ。新しい展開を見せたと思えばそこで終劇。1935年はいつだ。




【バッカーノ!】シリーズその他の感想
第1作 「バッカーノ!―The Rolling Bootlegs」
第2作 「バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad」
第3作 「バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad」
第4作 「バッカーノ!1932―Drug & The Dominos」
第5作 「バッカーノ!2001―The Children Of Bottle」
第6作 「バッカーノ!1933〈上〉THE SLASH クモリノチアメ」
第7作 「バッカーノ!1933〈下〉THE SLASH クモリノチアメ」
第8作 「バッカーノ!1934 獄中編―Alice In Jails」
第9作 「バッカーノ!1934 娑婆編―Alice In Jails」



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暁と黄昏の狭間、第2巻!


魔術大国オラの学都へ送られたセフルは、いまだヘン=ジャックの呪いに苦しんでいた。一方ギルダン・レイは、オラの皇子アシュラーフ・サンダーキニと幼い ドムオイ王女の婚約を押し進めるカザン大使と対立し、国を追われる。生命魔術の神・薬王樹を祀るサンダーキニ家の謎を、二人は解くことができるのか。雪と 氷の国オラでの決死行が始まる!


裏表紙より


本当に面白いなあ、この話。世界観が重厚かつ濃厚な正統派ファンタジー第2巻。前巻よりさらに物語は加速する。一度読み始めたら止まらない、予想もつかない展開の連続。物語にどっぷりつかり込みました。濃厚なファンタジーが好きな人にはおすすめなシリーズです。


魔術大国オラの学都へと舞台は移り、様々な事件が勃発しつつ、主人公セフルは薬王樹を守るサンダーキニ一族の当主に出会い、生命魔術の源である「薬王樹」の秘密へと発展していく。このサンダーキニ一族の当主であるサンダーキニ皇爵様、ギルダン・レイを差し置いて表紙になるくらい重要人物です。


サンダーキニ皇爵様の俺様っぷりに初めは戸惑うところが多かった物の、セフルとのふれあいに より少しづつ態度が雪解けしていくところとかもう読んでいる間中ときめいてばっかり。正直、ギルダン・レイとどちらが格好良かったか聞かれると、私はサンダーキニ皇爵に軍配が上がりそうです(笑) また、薬王樹とサンダーキニの関係が明かされる場面は衝撃でした。


そして、敵側であり、一番長く対立するかと思ったサイヤーレが予想外の事に。サイヤーレは初めからセフルを実験動物としか見ていない魔術に命をかけるような人間なので正直ここで禍根を断ってしまえるのはよかった物の、今後のカザンやミリディアの逆恨みが怖そう。しかし、ミリディアの事は結構ショックでした。セフルの初めての友人といえる立場の人間が敵側なんて。とことん、セフルに甘さがない。


今回も容赦ない展開と濃厚なストーリーに一気に読みました。果たして次はどうなるのか。容姿に多大な変化を経たセフル。追われる立場となってしまったレイ卿。ようやく恋愛方面で花開きそうな感じではある物の、まだ時間が必要そう。




【暁と黄昏の狭間】その他の感想
暁と黄昏の狭間〈1〉竜魚の書




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文学少女シリーズ2作目。


文芸部部長・天野遠子。物語を食べちゃうくらい愛しているこの自称“文学少女”に、後輩の井上心葉は振り回されっぱなしの毎日を送っている。そんなある 日、文芸部の「恋の相談ポスト」に「憎い」「幽霊が」という文字や、謎の数字を書き連ねた紙片が投げ込まれる。文芸部への挑戦だわ!と、心葉を巻き込み調 査をはじめる遠子だが、見つけた“犯人”は「わたし、もう死んでるの」と笑う少女で―!? コメディ風味のビターテイスト学園ミステリー、第2弾。


裏表紙より


初めはほのぼのな雰囲気だが話が進んでいくと暗い情念が深く深く見えてくる。前巻よりもさらに陰鬱な話でした。ライトノベルと侮る事勿れ。


今回の題材はエミリー・ブロンテの「嵐が丘」。嵐が丘の内容は知らなかったのだけど、内容に沿って進むだけでなく一捻り加えてあり、一度も読んだことがないのに読んだように思えるほど濃厚な内容でした。様々な事実が判明する度に背筋がざわりと震える。じわじわとくる人間の狂気に怖いのに読むことがやめられない。最後の最後まで報われない蛍。憎んでいても「愛してる」っていう描写がすごい。


失われた時間は新たに歩んで取り返せる、やり直せる、と事件の全容を「想像」した文学少女の遠子先輩。 時間がないを戻すことも、取り返すことも出来ないと知っている元・覆面作家の心葉。激しい感情を剥き出しにし想いを告白する蛍。全てを理解した上で物語を紡ごうとした麻貴。交錯しあう誤解が生んだ、遅すぎた救い。この場面は感情が入り乱れ悲惨で、心が削られていくのに読むことをやめられない。


今回は遠子が居候する家の息子・櫻井流人が初登場。一見軟派で真正プレイボーイですが、実は男気もある人・・・・・・でも何故あんな恋愛観なのか。しかしプレイボーイっぷりはすごい。今後の登場が楽しみなキャラクター。


黒幕の存在にも驚かされた。最後に麻貴のモノローグがやけに耳に残る。確かにオーケストラ部の部長なのに何故絵をと思っていただけに彼女の置かれている立場を理解。複雑。複雑といえば、心葉くんの過去も気になるところ。そして、そんな心葉くんを庇ったツンデレ少女、琴吹ななせ。次巻で彼女が報われる話になればいいのだけれど。




【“文学少女”シリーズ】その他の感想
第1作 「“文学少女”と死にたがりの道化」



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「バッカーノ!」第9巻。


副社長と新人カメラマンは情報を得るためシカゴの街へ。奇妙な集団はヒューイの命令で大事に備えて密かにシカゴの街へ。破壊魔はルッソ・ファミリーに誘わ れ、ラッドの代わりにシカゴの街へ。研究者は会社があるのでシカゴの街へ。吸血鬼は友達の為にシカゴの街へ。曲者達が刑務所にいる間、一方のシカゴでは全 土を揺るがす大事件が巻き起ころうとしていた。三百箇所に仕掛けられた爆発物。同時に併発した二百人以上の失踪事件。すべてが繋がり始める時、娑婆の空気 を塗り替える者とは―。

カバーそでより


やられた!前巻、フィーロの動向が気になっていたところだったのでまさかこんな話だったとは・・・。1934年は全三巻だったので、普通なら上・中・下の三部作になるところが、上・上・下。まさかの上巻2冊にはやられました。


娑婆=シカゴ編、というところでついに登場、グラハム。アニメの方で彼は見ていたので結構新鮮。原作では今巻で登場だったんですね。巨大なモンキーレンチを振り回す格闘シーンは必見。是非とも映像で見たい。


対する吸血鬼(ラミア)もクモリノチアメ編で登場したメンバーに加えて新たにお目見え。どのキャラも濃い。濃すぎる。好きだけれども、この濃さ。特に詩人につっこみを入れるシックルが好き。ラミアでメインで活躍したのはレイル・フランク。主にレイル。レイルの今後はもの凄く気になるところ。


何というか、バッカーノって子供に対しての表現がキツイ気がするのは私だけか?いや、まあ他のキャラも等しく酷い目にあっているのは多いのだけれども、特に私が目につくのが子供なだけなのかも知れないけれど。レイルしかり、チェス君しかり。それと、今までどうにも受け入れがたいヒューイに加え、新たにルネさん登場。どうやらこの2人以前に面識有り?しかし何故片眼だけ入手しようと思ったのかは未だに謎。それを含めて完結編が気になるところ。


そして、クモリノチアメ編で怪我を負い、行方不明となったクリストファー。彼を拾ったルッソファミリーの孫・リカルドとのコンビがいい。クリストファーの好感度が一気に上がりました。この2人好きです。


また、今回でようやくDD新聞社副社長とその助手・キャロルが登場。アニメでは1話で登場した彼らも今巻初登場。キャロルが出ると和みます。そしてグラハムと列車強盗犯という初対面をしたエピソードも気になるところ。その辺書いてくれるのかな?


それにしても、P206の会話の中に「敢えて言おう」のお決まりの台詞を吐いた人がいたのですが。ナイルか。ナイルなのか!?


出所したアイザックを迎えにミリアが混乱中の街、シカゴへ乗り込み心配だからとなし崩しに故郷シカゴへと戻ってきたジャグジー一味。次回完結編も騒がしくなりそう!




【バッカーノ!】シリーズその他の感想
第1作 「バッカーノ!―The Rolling Bootlegs」
第2作 「バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad」
第3作 「バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad」
第4作 「バッカーノ!1932―Drug & The Dominos」
第5作 「バッカーノ!2001―The Children Of Bottle」
第6作 「バッカーノ!1933〈上〉THE SLASH クモリノチアメ」
第7作 「バッカーノ!1933〈下〉THE SLASH クモリノチアメ」
第8作 「バッカーノ!1934 獄中編―Alice In Jails」



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「バッカーノ!」第8巻!


若手幹部は『ミストウォール爆破事件』の参考人である恋人をかばって刑務所に。殺人鬼はヒューイという『不死者』を殺す快感を求めて刑務所に。泥棒は普通 に逮捕され刑務所に。名前を譲った殺し屋はネブラの部長に依頼され刑務所に。錬金術師は最初から刑務所に。サンフランシスコ湾の沖合いに浮かぶアルカトラ ズ刑務所に、一筋縄ではいかない男達がそれぞれの目的を抱えて集う。一方、NYに残された者やFBIも何かを求めて動きだす。まるで全ての事象が一つに繋 がっているかのように…。そして、最悪の事件の幕が開ける―。


カバーそでより


タイトル通り、獄中編。舞台はサンフランシスコ湾内「アスカトラズ刑務所」。小説本編にもかなり丁寧に触れられてますが、この刑務所映画等でも有名な裏の顔、アル・カポネが収容されていた場所。こういう時代背景を含めて読むと、私の場合楽しくなってきたりする。そこから色々調べ始めると止まらなかったり。この時代のアメリカもっと色々調べたい。


メインはエニスの罪を未解決にする代わりに不死者でありFBIのヴィクターにヒューイに接触するために強制収容される「フィーロ」。そしてその一月前。蜂の巣にてしょっ引かれ、本来アスカトラズ刑務所に入るはずのない「アイザック」、ヒューイを殺すために他の刑務所から移ってきた「ラッド」の3人。


バッカーノは群青劇ですし、特に突出した主人公はいないですが個人的にはフィーロとジャグジーをメインにストーリーを追っているのでフィーロ視点は嬉しかったり。それにしてもフィーロって変なのに好かれますね。前巻ではクリストファーに親友(?だったっけ)、今回はラッド。しかもクレアと幼馴染み。何この面子。全員一癖も二癖もありすぎる。


獄中にて起こる事件、フィーロと共に収容された3人の囚人の誰かが鍵を握っていると思いきや全員かよ!しかも看守まで。謎が一つ解決したかと思いきや、最後の最後にどでかい謎が。やっぱり面白いなバッカーノ。


描写は重くはないものの、舞台が刑務所なので結構暗め。けれどアイザックにより和む。でもミリアの相槌がない分新鮮&少し悲しい。やっぱりアイザックとミリアは2人でセット。このカップルが和気藹々愛し合ってればいいよ。


カップル、といえばフィーロとエニス。今回の出来事で少しは進展があればいいのだけれど。健気なフィーロが可愛すぎる。まあ、結婚するまで50年なのでまだまだ先の話か。そしてクレアとシャーネ、ジャグジーとニースも相変わらず。バッカーノに登場するカップルは本当可愛いなあ。




【バッカーノ!】シリーズその他の感想
第1作 「バッカーノ!―The Rolling Bootlegs」
第2作 「バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad」
第3作 「バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad」
第4作 「バッカーノ!1932―Drug & The Dominos」
第5作 「バッカーノ!2001―The Children Of Bottle」
第6作 「バッカーノ!1933〈上〉THE SLASH クモリノチアメ」
第7作 「バッカーノ!1933〈下〉THE SLASH クモリノチアメ」



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文学少女シリーズ1作目。


「どうかあたしの恋を叶えてください!」何故か文芸部に持ち込まれた依頼。それは、単なる恋文の代筆のはずだったが…。
物語を食べちゃうくらい深く愛して いる“文学少女”天野遠子と、平穏と平凡を愛する、今はただの男子高校生、井上心葉。ふたりの前に紡ぎ出されたのは、人間の心が分からない、孤独な“お化 け”の嘆きと絶望の物語だった―。
野村美月が贈る新味、口溶け軽めでちょっぴりビターな、ミステリアス学園コメディ、開幕!!


裏表紙より


以前から文学少女シリーズが気になっており、表紙、帯、そして題名から「おもしろいよ~」というオーラを感じる(笑) 最近知ったのですが「このライトノベルがすごい!」に2007年から10位以内に必ず入っているんですね。この雑誌すら最近知った私って・・・orz まあいいんです。基本、本は自分の感性 or 直感 or 人の紹介で買うので。


閑話休題。


そんなわけでおもしろいのか、なら読んでみるかという結構斜め目線で読み始めたのですがごめんなさい。侮ってました。プロローグを読み終わった時点で既に虜。文学少女侮りがたし。ぐいぐい引き込まれていく感覚=良い本に巡り会えた。もっと早くに読むべきだったと後悔。


〝文学少女〟の遠子先輩と、元・覆面天才美少女作家の心葉(このは)くんのお話。キャラクターの位置づけも面白い。まさか本を食べる文学少女だったとは思わず、また心葉くんの設定も面白い。中盤までは何故「文学少女」なのかピンと来なかったのですが、最後の怒濤の展開で一気に評価が変わりました。


また、今回起こった事件では「推理」ではなく「想像」で事件を解決に導いているのも珍しいかと。最後の怒濤の展開は引き込まれて一気に読みました。個人的にはかなり読みやすい作品でした。キャラクター達は結構濃い人が多く、内容がハードな割に清涼感のある読み応えで何だか優しい気持ちになれたのも不思議な感じ。良い読了感でした。


題材に使われている太宰治の「人間失格」。一度読もうと手に取ったもののあまりにも暗すぎて馴染めず途中終了。太宰治作品を読んでいる方はよりいっそう楽しめたのでは。今度太宰治作品をもう一度手に取ってみたいと思います。


キャラクターの中に所謂「萌系」がいますが、女性作家と言うことで下品な印象がないのも個人的に評価が高いです。どうしても萌系のキャラは苦手なので。萌系が苦手な女性にもお勧めしたい一冊かな。


wikiで読んだのですが、何故少年向けのレーベルに応募したのかという理由に対して野村さんの解答が「逆に可愛い女の子をいくらでも書ける」という発想に驚きました。そういう発想はしたことがなかったので目から鱗。野村さん自身に興味が湧いてきました。機会があったら別のシリーズも読んでみたい。





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「バッカーノ!」第7巻。


ティムは過去を捨てた男だが、兄を忘れた事はなかった。ダラスはどうしようもないチンピラだが、妹だけは護りたかった。クリストファーはとてつもない変人 だが、なぜか自然を敬っていた。『葡萄酒』は最強最悪の殺し屋だが、マジで婚約者を愛していた。刃物使いたちの死闘に呼び寄せられたキレた奴ら。血の雨が 止む時、雲間から覗く陽光を浴びるのは誰だ―。


カバーそでより


上巻から続いた物語の収束。やはりチックとマリアの物語が良かった。マリアが己の信念の元に力を行使し、乗り越えたところはマリアよくやった!と心底喜んだ。しかしロニーさんも粋な演出をしますね。またチックとタック(ティム)の「気付いてたのかよ、兄貴!」と普通にタックが兄貴と呼んだところで和んだ。やっぱり血は見えないところで繋がっているからか。兄としてのチックの姿は格好良かった。チックは上巻からだが、かなり印象が変わった。チックとタックの兄弟愛が和む。最終的に幼い頃の誤解も解け、果たしてタックはどうするのか。今後の活躍に期待したい。


そして、上巻からの登場人物に加え、ヒューイの部下「吸血鬼(ラミア)」も参戦。そして徐々に1カ所に集まり物語が一気に進む疾走感!絡み合う思惑や行動理念。やはりこれがバッカーノの醍醐味だと思う。


しかし、ラミアのクリストファーはやばいな、と思いつつもフィーロって編なのに絡まれることが多いな。いや、嫌いじゃないが。むしろもっとやれ!と言いたいところ。それにしてもミリアとアイザックがしでかした狂言誘拐があんな形で実を結ぶとは。予想外。ここで久々に登場したダラスがあっけなくフィーロにのされるのもお約束。ビル上部での戦闘は何度読んでも面白い!そしてやはりクレア無双なのがいい。しかしロニーさんが出てくるとチート過ぎてどうも・・・・・・彼には完全に傍観者でいてもらいたい。多分、傍観者でいるのだろうけれども。




【バッカーノ!】シリーズその他の感想
第1作「バッカーノ!―The Rolling Bootlegs」
第2作「バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad」
第3作「バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad」
第4作「バッカーノ!1932―Drug & The Dominos」
第5作「バッカーノ!2001―The Children Of Bottle」
第6作「バッカーノ!1933〈上〉THE SLASH クモリノチアメ」



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「バッカーノ!」第6巻。


鋏使いのチックは無邪気に人を斬る。見えない“絆”がどれだけ傷みに耐えられるかを確かめる為に。刀使いのマリアは陽気に人を斬る。この世に斬れないもの など無い事を信じる為に。槍使いのアデルは慇懃無礼に人を斬る。ただ存分に暴れたいが為に。ナイフ使いのシャーネは無言で人を斬る。自分の仲間を傷つける 者を排除する為に。刃物使い達の死闘は雨を呼ぶ。それは、嵐への予兆―。


カバーそでより


今回は『1932―Drug & The Dominos』でちらっと登場した拷問魔チック、そして同じく『1932~(以下略)』にて登場した殺し屋マリアがコンビを組み、登場。何だろうこの2人の会話は物騒極まりないというのに何故かほのぼのとした印象が強い。ナイスコンビ。彼らの過去話からはじまり物語はまたもや多くの人物を巻き込み下巻へと続く。


ついに海の底から陸へと引き上げられたダラス。ラッドとダラス。どちらも似たようなことをしでかしているというのにダラスのクズッぷりは。といっても妹のイブにだけは違った一面を見せるのですが。そんな不死のダラスに加え、新たにヒューイの部下、「妖怪(ラルウァ)」が介入。そしてジャグジー一味やアイザック&ミリア、マルティージョファミリーのロニーにエニスを交えての話し合いとは到底言えない群像劇。


また、今回は様々な刃物が交錯し、壮絶な斬り合いになるもまだ本番ではない辺りがいい。また、その斬り合いをあっさりと止めたロニーさんも明らかにあいつだろ!と5巻でのエルマーの願いと仄めかされた内容に符合する。バッカーノは年代事に読むより出版順に読んだ方が面白いと思う。大抵前巻に伏線が敷いてあるので。


それにしても相変わらず上手いなあ。いろんな勘違いや思惑が交差し、上巻顔見せといったところ。下巻はさらに面白くなりそうな予感。殺し屋(というよりも刀使いの方がしっくりくるかな)のマリアもいいキャラだがやっぱり鋏使いのチックが上巻では一番魅力的かな。良いキャラしてる。勿論、ロニーさんも良いんだけれども彼はあくまでも傍観者としての位置づけ。本筋に介入すると大変なことになるので。


そしてついに腰を上げたヴィーノことクレア。彼がどう動き出すのかも楽しみなところ。しかし残念なところ、といえばクレアとシャーネが既に出会ったことが前提で物語が進んでいること。是非とも何があったのか知りたい。


ちなみに今回から登場人物紹介欄が出来ました。わかりやすいんだけれども、ダラスの欄。人間のクズとあっさりと書かれている辺り何だかなあ。言い得て妙なんだが文字で書かれると事実なだけに悲しいな、ダラス。




【バッカーノ!】シリーズその他の感想
第1作「バッカーノ!―The Rolling Bootlegs」
第2作「バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad」
第3作「バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad」
第4作「バッカーノ!1932―Drug & The Dominos」
第5作「バッカーノ!2001―The Children Of Bottle」



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暁と黄昏の狭間第1巻。


村の全員の顔も名前も性格も知っている。それなのに解りあえる人は、ほとんどいなかった・・・。鍛冶職の村に育った少女セフルは、いつの日か職人として村を出ることを夢見ていた。しかし彼女を迎えに来たのは、何者かの呪いを受けた王子メヒトルドを救うため、城の魔術師が遣わした水神フーレの化身だった。近衛騎士ギルダン・レイに護られて、魔術大国オラへ旅立つセフルと王子の前に、ヘン=ジャックと呼ばれる謎の旅団が立ちはだかる!

裏表紙より


面白いと友人に勧められたので読みましたが、これはいい!世界観が重厚かつ濃厚な正統派ファンタジー。ただ、ライトノベルのノリで読もうとすると世界観に入り込みにくいので要注意。


村では馬鹿にされて育てられた少女セフルの成長物語。初めはちょっとさえない当たりがセフルをより魅力的に魅せている。ヒロイック・ファンタジーじゃない辺りがいいです。初めの辛かった時期があるからこそ、セフルの成長が引き立って見えます。「14歳」の年齢で容赦なく酷い目に合いますが、より現実的で良いです。洞窟での件は己の内面と葛藤の描写が圧巻だった。


また、他のキャラクター達のそれぞれの立場からの行動や葛藤もリアルで登場人物達が生き生きと動いていて良かった。レイ卿の活躍は次回に期待。果たしてどう恋愛方面に持っていくのか。


全体的に描写が重いが物語の展開は早く、飽きることなく一気に読めた。恋に冒険に魔法とてんこ盛りなのに世界観に入り込むとすっと入ってくる。一度世界観に入り込むと引き込まれた。ファンタジー好きにはおすすめな一冊。ただ、私は友人に借りて読めましたがAmazonでは品切れ&品切れ間近状態。図書館で探した方が早いかも。


ちなみにイラストは鈴木康士さん(D-SUZUKI、E-SUZUKIも同様)。私の中では神永学さんの「心霊探偵八雲」(文庫版)でお馴染みのイラストレイターさん。というか神永学さんの文庫本のイラストほとんど担当されてますが。現代物の八雲とは感じる絵柄の印象が違って驚きましたがやはり美しい。美麗なイラストに大満足でした。




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バッカーノ!第5巻。


その不死者の名はエルマー・C・アルバトロス。“笑い”に異常な執着を持ち、ハッピーエンドの為なら手段を選ばない『笑顔中毒者』である。
三百年前に別れ たその男を捜して北欧の森を訪れた4人の不死者たち。そこには古びた小さな村があった。突然現れた来訪者に敵意の眼差しを向ける村人たち、なぜか彼らに “悪魔”と恐れられているエルマー、そして不思議な少女―。
謎に満ちた村で繰り広げられる、『バッカーノ!』異色作。



カバーそでより


出版順に読んでいるので初2001年。かばーそでにも書かれているように、今までの作品とは一線を画す一冊。今までに出てきた登場人物が一気に減ったので読むまで少し躊躇しましたが、読んで良かった。


バッカーノ!の魅力といえば多視点で語られるそれぞれのエピソードが重厚に絡み合い、それが一つの大きな物語を作り上げていく疾走感と爽快感、それに会話のテンポの良さですが、この一冊では、それが全く見られません。だからといって面白くない、というわけではないです。今までになかったミステリー要素が加わり、シリアスシーンも重すぎず、かといって暗すぎない程よいバランス具合でした。舞台は閉鎖的な村。徐々に判明する事実。本編の魅力が各キャラクター達の絡み合いだとするならば、こちらの魅力は設定や事情などの絡み合いのミステリーかと。


また、1711年にアドウェナ・アウェス号で共に不死者となったマイザーの仲間の錬金術師が数多く登場します。マイザー、チェス君に加え「エルマー」「ナイル」「シルヴィ」の3人が活躍。今まで全く全貌が見えてこなかった1700年代の登場人物だっただけに嬉しかった。特にエルマーとナイルのキャラはぶっ飛んでいて三癖はありそう。そしてやっぱりチェス君が可愛いです。


物語の終わりも今までにない心暖まる終わり方で好きです。今までと雰囲気、そしてバカップルも登場しないので物足りないと感じる人もいるでしょうが私はかなり好きな話です。




【バッカーノ!】シリーズその他の感想
第1作「バッカーノ!―The Rolling Bootlegs」
第2作「バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad」
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のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
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