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超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
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信長協奏曲、第3巻。


織田信長にとって前半生最大の危機と言われた桶狭間の戦い、ついに決着!! サブロー信長次なる目標は美濃奪取! だが、サブローの前に義父・斎藤道三が築いた難攻不落の名城・稲葉山城が立ちはだかる! 織田信長を衝撃の新解釈で描く時をかける風雲児サブローの戦国青春記、第3巻!!!!!!


裏表紙より引用


2巻から続く、桶狭間の戦いも見事勝利を収め、次なる目標は美濃奪還。とその前に竹千代改め松平元康、がさらに改名し「徳川家康」が久々に登場。かつてサブローが渡したエ○本が教育上良くなかったらしく、かなりの女好きに(笑) これが大奥を作るきっかけかと思うと笑えてきます。


そしおてんばだけれども綺麗な女性に成長したお市ちゃん。ブラコンでサブローの周りをうろちょろしているのが可愛らしく、読んでいて微笑ましい。そんな彼女がどう浅井長政に嫁ぐのか楽しみ。


また、籐吉郎の草履ネタは酷い(笑) 彼は本当最後どうなるのだろう。こんなに信長に悪意を持った秀吉は考えたこともないので、これからの展開が楽しみな反面怖い。また、美形と名高い竹中半兵衛も登場。稲葉山城での件は見事。


しかし、今回の目玉はやはり彼でしょう。まさかそんな登場をするとは!と目から鱗。これ、本能寺の変どうするんだろう。全く想像が付かない。また、彼が登場したおかげでついにタイトルの謎が判明。なるほど、だから「協奏曲」なわけか。


今までこの漫画の良さは独特の雰囲気と勘違いから来るおもしろさが目についていましたが、今巻はサブローの成長と美濃を攻略しての斎藤道三の墓参りの場面が感慨深い。また、政治的手腕をじわじわと発揮し始め、兵農分離と瀬戸物についての件は面白い。


歴史物は得てして続きが想像できる物だけれど、この漫画は展開が読めず、また堅苦しくないので読みやすい。さー続き続き!




【信長協奏曲】その他の感想
信長協奏曲(1)
信長協奏曲(2)



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守り人シリーズ、第2巻。


女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは―――。バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を深く揺さぶるシリーズ第2弾。


裏表紙より引用


守り人シリーズの中で多分一番読み返している一冊。ふとした瞬間にバルサの槍舞のシーンが浮かんで読み返したくなる。文庫になってから手に入れたので、常にとりだしやす位置にキープしてます。


精霊の守り人からの次作ですが、前作を読んでいなくても十二分に楽しめる。といってもこの本を読んだ方には是非とも精霊の守り人も読んで欲しいです。


主人公はバルサ。精霊の守り人の時に語った自らの過去との決着を着けるために舞い戻った故郷・カンバル。そこで思いがけず起こる事件、過去の因縁、そしてジグロの思い・・・。全てが重なり合うこの話は読んでいて胸が熱くなる。闇の守り人(ヒョウル)の登場する最後の場面では、バルサと共に泣いてしまった。


最後のあとがきにも書かれているが、精霊の守り人は子供に、闇の方は大人に指示されていると。それを読んだとき確かにと思ってしまった。かつて読んだときは闇の守り人はあまりピンとこず、精霊の守り人の方が好きだったからだ。本は年齢を重ねて読むとまた違った感想を抱ける。その感覚を味わえ、面白いと改めて感じた一冊。




【守り人シリーズ】その他の感想
第1巻 「精霊の守り人」



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レディ・ガンナーシリーズ、第2巻下巻。


ウィンスロウ家のキャサリンは、秘密結社に狙われたベラフォードを助けるために、ゲルスタンへと旅立った。しかし、最初に訪れたライエ州で、彼女は異種人類に間違われて捕らえられてしまう。その州は、住民全てがアナザーレイスに対して、強い偏見と敵意を持っていたのだ。領主の城館に虜囚となったキャサリンは、そこで意外な人物と出会うのだが・・・・・・。型破りのお嬢様の大冒険は、用心棒四人組を巻きこんで、さらにヒートアップ!!


裏表紙より引用


前巻、かなり危険な状態からの幕開けですが、キャサリンの素晴らしい機転で回避。キャサリンの漢らしさ(褒め言葉)にはほれぼれさせられます。そして初登場の〈鰐〉のミュリエル。もの凄く可愛らしく純粋で、微笑ましい反面形態変化をしたときのギャップは凄まじい。本当、爬虫類の方々は美形が多いのかな。


キャサリンやミュリエル、そしてヘンリーと用心棒達が再会してからは、怒濤の勢いで物語が進んでいく。キャサリンが屋敷に乗り込んでからの展開が事件の内容が酷かっただけに痛快。挿絵のキャサリンと愉快な仲間達は頼もしく、格好いい。


それにしても『人獣撲滅を目指す会』であり、アナザーレイスへの差別が酷い人物達がインシードとは何という皮肉。しかしコンラート少年が哀れと言えば哀れ。確かに父親に反抗しづらいだろうが・・・今後彼は重い十字架を背負って生きなければいけないだろう。


それにしてもミュリエルとダムーが婚約していたとは目から鱗。いやいや、無理ですよ! と思わず言いたくなる。個人的にはダムーとキャサリンを大プッシュしたいのですが、どうなるのだろう? 最後にはヘンリーがミュリエルを?と三つ巴で気になる展開。外伝で色々と発覚しますが、始めて読んだときはどうなるか気になって仕方がなかった。勿論今でもどうなるか分からない分、この恋愛模様は気になるところ。


茅田さんの作品はさくっと読め、ユーモラスな筆致。そして人種差別という重い題材をしっかりとした骨組みで描かれているので読み応えがあり、また敵についての表現が本当に上手い。「復讐」についても人それぞれで難しいけれど、目には目を歯には歯をという考え方は間違っていないと思う。うーむ、考えさせられる。




【レディ・ガンナーシリーズ】感想
第1作 「レディ・ガンナーの冒険」
第2作 「レディ・ガンナーの大追跡〈上〉」
レディ・ガンナー外伝 そして四人は東へ向かう


[茅田砂胡]その他感想

【デルフィニア戦記】感想
デルフィニア戦記外伝2 コーラル城の平穏な日々



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レディ・ガンナーシリーズ、第2巻上巻。


ウィンスロウ家のお嬢様キャサリンは、旅先で知りあった風変わりな用心棒四人組に魅せられ、そのひとり、《蜥蜴(とかげ)》のベラフォードの似姿を、美術の授業で描いてみた。しかし、彼ら用心棒たちの、動物に形態変化(トランスフォーム)する能力に注目していた、秘密結社がこれに気づいたから、さあ大変。キャサリンは、自らの不注意がひき起こした大騒動に、父親が止めるのを振りきって、ふたたび飛び出した! 痛快無比のアドヴェンチャー・ストーリー第2弾。


裏表紙より引用


レディー・ガンナーが登場するのは少し時間がかかりますが、2巻も実に面白い。前半で異種人種と無形種がどのように付き合っているのかを巧みに描いている。


〈狐〉のコーネリアス、〈梟〉のチャリオット、〈獅子〉のシルヴァ、〈馬〉のダンテス、〈鷲〉のドーザなど今後も関ってきそうな魅力的な異種人類達が登場し、世界観が一気に広がった。また、〈蛇〉のヘンリーや〈虎〉のランスーリンも再登場し、彼らが話し合っている様は楽しい。


そんな彼らが話し合っているアナザーレイスに友好的ではない無形種、『人獣撲滅を目指す会』。アナザーレイスの差別問題にはがりがり精神を削られる分、エリオット卿やキャサリンのような無形種の姿勢が好ましい。それにしてもニーナの観察眼は凄すぎる(笑)


そして再びキャサリンを中心に巻き起こる大騒動。悪意のないキャサリンの出来事から以前の仲間達に繋がっていく流れは自然で上手い。そんな中、隣国に行くこととなり、お供に〈蛇〉のヘンリーを加えての出発。しかもこの隣国では異種人種に強い偏見があり、最後には村人達に異種人種だと勘違いされ捕らえられてしまう。まるで中世の魔女狩りのような展開にはハラハラドキドキ。早く下巻も読まないと!




【レディ・ガンナーシリーズ】感想
第1作 「レディ・ガンナーの冒険」
レディ・ガンナー外伝 そして四人は東へ向かう


[茅田砂胡]その他感想

【デルフィニア戦記】感想
デルフィニア戦記外伝2 コーラル城の平穏な日々



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レディ・ガンナーシリーズ、第1巻。


「お嬢さま、もう無理です! 追いつかれます」「大丈夫よ。みなさんがついているじゃないの」ウインスロウ家の娘、キャサリンは、ここに至って、ようやく用心棒たちに声をかけた。ことの始まりは一通の手紙。隣国の幼なじみに危機が迫っていると聞いたキャサリンは、侍女ひとりと、風変わりな四人の用心棒を連れて旅立ったのだが・・・・・・破天荒なお嬢さまと、動物の姿に変身できる不思議な人々が織りなす、ファンタスティック・ストーリー登場。



裏表紙より引用


外伝を読んでの再読。久々に読みましたがやはり面白い! 初めのうちは設定に中々慣れず、進みにくかったのですが慣れてからは一気に物語に引き込まれる。何度も読み直してます。


外伝の感想にも書きましたが、レディ・ガンナーシリーズは世界観が独特で、純血種(アナザーレイス)、混血種(インシード)、無形種(ノンフォーマー)の3つの人種が織りなす世界。ハードボイルド調で西部劇のような世界観は読めば読むほどはまっていく。


茅田さんの描く物語の女性は精神的にも、肉体的にも強く格好いい人が多いのですが、レディ・ガンナーシリーズの主人公である「キャサリン」は超人的な力を持っているわけでもない普通のお嬢様・・・かと思いきや、良い意味で裏切られます。好奇心、正義感、頑固さ、勇敢さ、そして機転の早さと柔軟さと良い、何と貴族のお嬢様らしくない事か! 狼や熊に襲撃され、銃をぶっ放した場面は痛快で爽快。


そして、愉快な仲間である〈ごちゃまぜ〉のダムー、〈猫〉のケイティ、〈蜥蜴〉のベラフォード、〈役立たず〉のヴィンセント、そしてメイドのニーナを加え、実に個性的で魅力的な登場人物達が活き活きと動いているのが読んでいて小気味良い。読了感もよく、最後は胸がすっとしてページを閉じることが出来ます。個人的に野獣さんがお気に入りだったり(笑)




【レディ・ガンナーシリーズ】感想
レディ・ガンナー外伝 そして四人は東へ向かう


[茅田砂胡]その他感想

【デルフィニア戦記】感想
デルフィニア戦記外伝2 コーラル城の平穏な日々



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愛しの座敷わらし、上巻。


食品メーカーに勤める一家の主・晃一の左遷から、田舎の古民家に引っ越した高橋家。夫の転勤に辟易する史子、友達のいない長女・梓美、過保護気味の長男・智也、同居の祖母は認知症かも知れず・・・しかもその家には、不思議なわらしが棲んでいた。笑えて泣ける、家族小説の決定版。


裏表紙より引用


初読み荻原浩さん。かなり読みやすく、少し読むつもりが読破してしまった。


高橋家は夫婦と中2、小4の子供2人に夫の祖母の5人家族。何処にでもいるような普通の家庭だが、父親の仕事の転勤から田舎暮らしをすることに。しかも引っ越した先がかなり老朽化した家で、その家には座敷わらしが住んでいた! 各人それぞれに悩みや不満を抱えながら生活しており、田舎暮らしの新生活にはまだまだ慣れず。


タイトルにもなっている座敷童ですが、上巻ではまだ認知症気味の祖母と小4の息子にだけ認知されていて、座敷童とのアレコレは下巻かな。くりっとしたちょっと人見知りな座敷童の可愛いこと!


各々の視点から語られるのでそれぞれがどんな風に相手を見ているかがわかりやすく、面白い。智也の牛に対する感想には思わず笑った。いや、そんなシーン見たらそう思うけどね(笑)


田舎の風景も緑が多く、空が青くていかにも気持ちよさそう。田舎に住めば人間的な部分を回復できる、と良いこと尽くめとはならず、やはり不便な事は多々有り。便利さを手放す代わりに手に入るものはきっとあるのかも、と前向きに考えている辺りが好感触。


最後にきりっと昔の頼りがいのある祖母になった辺りで思わずにやり。面白くなってきた! 今後、この家庭にどんな展開が待っているのか。下巻で座敷童がどう動くのか楽しみ。




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髪結い伊三次シリーズ、第1巻。


本業の髪結いの傍ら、町方同心のお手先をつとめる伊三次。芸者のお文に心を残しながら、今日も江戸の町を東奔西走・・・。伊三次とお文のしっとりとした交情、市井の人々の哀歓、法では裁けぬ浮世のしがらみ。目が離せない珠玉の五編を収録。選考委員満場一致でオール読物新人賞を受賞した渾身のデビュー作。

裏表紙より引用


宇江佐真理さんデビュー作。深川にゃんにゃん横町を読んでからデビュー作が面白いというAmazonのレビューを読み、いてもたってもいられず本屋に走ってしまった(笑)


主要人物は髪結いの「伊三次」、深川芸者の「お文」、北町奉行同心の「不破友之進」の三人。捕物帖で髪結いが主役ってかなり珍しい気がします。講成も伊三次だけでなく、お文、不破と三人それぞれの視点から語られるので物語に入り込みやすい。


伊三次は訳ありで、店を持たない「廻り髪結い兼下っぴき」という何とも微妙な立ち位置。酒は下戸で、甘いものにめっぽう弱い。逆に酒が強く、深川芸者で男勝りで伊三次の思い人である文吉ことお文。


2人は好きあい、何れは所帯を持ちたいと思っているが、伊三次が店を持っていないので一緒になれず。会えば思っていることと反対のことを言ってしまうお文は、現代で言うところのツンデレ(笑) この2人が不器用で、ハラハラドキドキさせられますが、何とも言えない恋模様がリアルで今後の展開が気になるところ。


また、同心の不破は奉公所でも1、2を争うくらい口が悪く、朝は妻のいなみに叩き起こされ、眠り猫なんてあだ名を付けられたりとかなり個性的。妻のいなみとの馴れ初めにはじんときました。優しい言葉は口に出さないけれど、懐が深い不破は魅力的で格好いい。この三人の人物描写が秀逸。


特に感じたのは、一つ一つの事件をただ「一件落着」、と終わらせないところ。全てが明るみに出るわけではなく、分からないところは分からないままの辺りがいい。また文章が簡潔で、江戸っ子らしい台詞が飛び交う辺りがまた良い。


人情深く、笑いあり、涙あり、切なさ有り。読み終えた後に残る「続きが読みたい!」という吸引力が半端ない。このシリーズ、はまりそうです。




[宇江佐真理]その他感想
深川にゃんにゃん横丁



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レディ・ガンナーシリーズ、外伝。


美麗な羽をきっかけに知り合ったベラフォード&ヴィンセントとケイティ。そこに猪を担いでやってきた《ごちゃまぜ》のダムーは、食料と共にトラブルも運んできたのだった! ご存じ用心棒四人組の初めての出会いを描く「そして四人は東へ向かう」ほか、《蛇》と《鰐》の種族を超えたラブロマンス「木に登る鰐」、空から舞い降りた《鳥》と若き《獅子》の美しき友情「蒼天に輝く」など全5編を収録。愛と冒険に満ちた珠玉短編集。


裏表紙より引用


レディ・ガンナー初の外伝ですが、タイトルの「レディ・ガンナー」は登場せず。けれど本編の過去話により世界観が一気に広がった、外伝らしい一冊。


レディ・ガンナーシリーズは世界観が独特で、純血種(アナザーレイス)、混血種(インシード)、無形種(ノンフォーマー)の3つの人種が織りなす世界。読めば読むほど世界観にはまっていく。


「そして四人は東へ向かう」は本編に近く、ケイティら愉快な仲間達の初対面。他4編は過去編等でいつもより雰囲気が異なり、特に「木に登る鰐」「モームと真珠のブローチの話」が感慨深い。


まさかあの鰐の中から見つけ出すとは、流石ヘンリー。格好良すぎます。また特に印象的だったのはミュリエルが鰐の姿のまま木に登ろうとするところ。ミュリエルとヘンリーが今後、どんな過程を踏んでいくのか楽しみ。そして初めて語られたダムーのトラウマの話。そりゃ、トラウマにもなるよ。何その恐ろしい遊び(笑)


また、過去編とのことで以前登場した獅子の「シルヴァ」が鷲の「ドーザ」に出会ったときに起きた殺人事件を描く「蒼天に輝く」、前述の殺人事件の真相が明らかになる「鷲のチェリーザ」、殺人事件に関わった水牛の「モーム」の友情を描く「モームと真珠のブローチの話」は一連が繋がりになっており読み応えがあった。


個人的に一番のお気に入りはモームの話。おっとりした性格のモームが自覚し、戦い、結婚、そして友を助けに行くシーンにはじんわり。いい人だ、モーム。また、シルヴァとドーザは以前にも登場しており、この2人の若き日々は新鮮。こんな繋がりがあったのならば、本編での仲の良さも頷ける。しかし、最後のチェリーザさんには度肝を抜かれた。今後、本編でも彼女が出てくることを望みます。


レディ・ガンナーシリーズは新作がいつ出るか分からないシリーズではある物の、待った分十二分に楽しめるのが嬉しい。果たして続巻はいつになるのか楽しみだけれど、その前に最初から読み直したくなってきた(笑)




[茅田砂胡]その他感想

【デルフィニア戦記】感想
デルフィニア戦記外伝2 コーラル城の平穏な日々



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初読み、宇江佐真理さん。


お江戸深川にゃんにゃん横丁。長屋が並ぶこの場所は、その名のとおり近所の猫の通り道。白に黒いの、よもぎにまだら。愛らしい猫たちがあくびをしているその横で、雇われ大家の徳兵衛は、今日もかわらず大忙し。悲しい別れや戸惑いの出会い。報われない想いや子を見守る親の眼差し―――。どんなことが起ころうと、猫がニャンと鳴けば大丈夫。下町長屋の人情溢れる連作時代小説集。


裏表紙より引用


深川に必ず猫が1匹、2匹通る細い小路が舞台の「深川にゃんにゃん横町」。タイトルと裏表紙の内容に引かれて購入。しかし思ったより猫は登場せず(苦笑) 猫との絡みを期待すると少しがっくり来るかもしれません。


派手な事件はないけれど、人情味溢れる江戸をたっぷりと満喫。にゃんにゃん横町で生活する人達の人間関係は現代に生きる私には結構しんどい物があるけれど、家族以外で親戚同然に暮らしている姿は在りし日の日本の風景。


あくまでも「にゃんにゃん横町」で暮らす人々が主軸であり、猫は彼らに寄り添うだけ。でもこの絶妙な距離感が返ってリアルで個人的に好きでした。人は1人ではなく、周りの人の支えがあって生きていることを改めて実感した。「ま、人んちのことは他人がとやかく言うことではありやせんが」ということも心理だけれど(笑)


がつんと啖呵を切るおふよさんにほれぼれしつつ、明るい話も哀しい事件も乗り越えていくにゃんにゃん横町。人の温かさと猫のいる穏やかな雰囲気に癒されました。読み終えたときの何とも言えない切なさと暖かさがいい。ちょっとホッとしたいときに改めて読み直したい。




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デルフィニア戦記外伝、第2巻。


デルフィニア国王の愛妾ポーラが気晴らしにとコーラル城下に出かけたがこれが大騒動に発展――〈ポーラの休日〉 リィとウォルの婚姻も間近なある日シェ ラは超絶技を駆使して平穏な日々を送っていた・・・・・・? 〈シェラの日常〉 デルフィニア物語が二中篇+一短篇にて久々の登場!



裏表紙より引用


茅田砂胡さんの作品は前から気になっていて、以前まとめて一気読み。「デルフィニア戦記」「大鷲の誓い」「スカーレット・ウィザード」「暁の天使たち」「クラッシュ・ブレイズ」「レディ・ガンナーシリーズ」と読みあさり、後は「王女グリンダ」「祝もものき事務所」「桐原家の人々」を読み終わればコンプリート。前者2つは既にあるので後は読むだけだったり(笑) 時間があれば読み明かしたい。その中でも一番好きなのはこのデルフィニア戦記だっただけに、この外伝はかなり嬉しいところ。久々に王女と国王、そして愉快な仲間達に敢えて嬉しかったです。


閑話休題。


この外伝は3つのお話ですが、時系列的には「ポーラの休日」は13巻の終わり、「王と王妃の新婚事情」は8巻の頭くらい、 「シェラの日常」は14巻の頭くらいとのこと(あとがきより)。 また、「ポーラの休日」は「デルフィニア戦記画集」に載っていた物を加筆修正した物だそうです。


久々のデルフィニア戦記の面々が活き活きと動いている様は読んでいて痛快。「ポーラの休日」では愉快な仲間達の大仮装大会。どんだけ皆衣装変えしているんだ(笑) 何だかんだで全員大集合。読み応えがありました。最後の展開には思わずにやり。のほほんとしたポーラが改めて好きになりました。


「シェラの日常」ではいつも完璧な女性よりも女性らしい彼(誤字にあらず)が、日常とは言いつつも日常とはほど遠い殺伐とした日々を送る話。シェラにとっての「日常」とは=「非日常」なんですね(笑) 普段ミスをしないシェラがミスをする姿が可愛らしく微笑ましい。こちらも読み応え充分!


読み終えた頃には既にデルフィニア戦記の虜(笑) 最初から全部読み直したくて止まらなく罠。デルフィニア、スカウィ、暁、クラブレ・・・・読み直すとしたら果たしてどれ程時間がかかるのか。でも読み直したい。また新しい外伝が出ることを切に願います。


また、5月発売の画集では海賊夫婦達の結婚式についての書き下ろしや、クラッシュ・ブレイズは完結しましたが、また7月に新シリーズとして金銀天使たちがメインで活躍する予定だそうです。今から楽しみ!




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ナポリ
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自己紹介:
のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
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