超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪
感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
[タイトル] くらぐり
[ジャンル] 乙女向暗闇探索ゲーム
[ツール] 吉里吉里2/KAG3
[プレイ時間] 1EDにつき1~5分=20~30分くらい(攻略、ヒントを見て)
[頒布日] 2010年05月17日
[攻略対象者] 1人
[END数] 10(+おまけはR15版のみ)
[あらすじ]
期日が迫る「研究成果の定期審査」の為、資料を一冊でも借りたいルニ(※デフォルト名)。
けれど本は貸し出せないし、閉館時間も延ばせないと司書のルノは告げる。
慌てるルニを姿を見て、ルノはあるゲームを提案する。
果たして、ルニはルノを暗闇の中から探し出せるのか!
[画面サンプル]
[感想]
raqt(らくと)、旭さんによる乙女向きゲーム。
ゲームは、全年齢版とR15版の2つ。R15版は「完成版の内容 + おまけで「駄目な大人の女性向けルート」付き、との事で中学生以下と駄目じゃない大人は通常版をダウンロードのこと。自分が駄目な大人だという自覚があるので迷わずR15版をダウンロードしました(笑)
結構さっくりとプレイできます。自力捜索は早々と諦めたので(キパッ)
初回は自力で暗闇の中を捜索しますが、2回目以降プレイすると捜索ページに少しずつHINTが追加されていくのでそれを参考にすればプレイが飛躍的簡単になると思います。←(一応ネタバレ含むので反転)
グラフィックも立ち絵もとても綺麗。表情も豊かで見ていて飽きませんでした。勿論、スチルも素敵。主人公のルニ(※デフォルト名)は可愛らしいし、司書のリノの下心が見え隠れしていましたが、余裕を感じさせる行動と表情が魅力的。
システム面も快適にプレイできたので、とても楽しくプレイ出来ました。次回作も制作中とのことなので、今から楽しみです。
[攻略]
ヒントがゲーム内に設置されているので、それをヒントに。また、制作者様サイトの「くらぐり」の紹介ページにENDに関しての攻略が載っているのでそちらを参考に。私もどうしても攻略できないところは参考にさせていただきました♪
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「バッカーノ!」第10巻。ようやく監獄編&1934年完結。
アルカトラズを出所し、シカゴでミリアと落ち合うことになったアイザック。爆破事件を聞きつけてミリアと共にシカゴに戻ることになったジャグジー一行。ヒューイを殺すために刑務所の奥で暴れ始めたラッドと思惑を秘めたフィーロ。少しずつ狂い始めているレイルと、それを止めることが出来ない吸血鬼の面々。他人の迷惑を省みず、ひたすらに喧嘩を楽しむグラハムとクリストファー。そして、高みの見物をする権力者たち。三百箇所同時爆破と二百人の失踪事件。殺し屋と不死者を巡る騒動。混乱をきたす舞台に、全ての役者がそろった時、それぞれの配役が動き始める。そして、彼らの運命を弄ぶ者とは―。
カバーそでより
上巻2冊を踏まえての1934年完結編。バッカーノ!の完結編ではないので要注意。上巻で巻き起こった騒動を全て集約し、次の巻への伏線も残しつつまとめられています。ただ、伏線が気になるところなのできちんと完結していないことに不満を持つ人もいるかも知れなません。個人的にはまだまだ物語が続いて欲しいので気になりませんが。
登場人物の多さは相変わらずなのでここで混乱するかもしれないけれど、そこを乗り越え理解できれば面白さは文句なしだと思う。バラバラだったピースが埋まり始め、それが完璧な絵にならない辺りがバッカーノらしいかなと。
特に笑ったのは酒場「ドルテェ」での出来事。オーナーである老夫婦が店を始めて30周年の記念すべき日。始めにラミアのふたり、詩人とシックル。そこに現れるグラハムと仲間達。さらにクリストファーとリカルド。会ってそうそう喧嘩を始めるグラハムとクリストファーに水を差す(言葉通りに)リカルドが笑えました。さらにグラハムを追ってきたジャグジー一味。確かに、ココまで集まるのは不自然だなと思っていただけに、その後の展開に納得。本当にシャムは手広くやってる。そして、バーベキュー・リブが食べたくなったのは私だけ?
今更ですが、リーザとシャムの双子って『2001年 The Children Of Bottle』で
(追記)
水を使った仕組みは同じでも、今巻に出てきたシャムとリーザの2人は2001に登場してないとのこと。完全に誤解してました。教えていただきありがとうございました! 混同したままでいるところでした。えーっとお返事をどこに書くか迷ったあげくここに書かせていただきました。変なところですみません(汗)
今回特にフィーロの活躍が目立った気がします。ようやく報われ始め、エニスも良いですがリーザも気になるところ。クリストファーやラッド、グラハムもクールだったがやっぱり一番はアイザックかな。颯爽と現れ、救った彼には脱帽です。ようやく再会したミリアとアイザック。ふたりが一緒にいるのが一番です。最高のカップルです。
果たしてヒューイの片眼を手に入れたルネの目的は何なのか。そしてルネさんが怖すぎる。彼女とその取り巻きが今のところ一番不気味。また、リーザとシャーネの母親らしき表現も気になるところ。新しい展開を見せたと思えばそこで終劇。1935年はいつだ。
【バッカーノ!】シリーズその他の感想
第1作 「バッカーノ!―The Rolling Bootlegs」
第2作 「バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad」
第3作 「バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad」
第4作 「バッカーノ!1932―Drug & The Dominos」
第5作 「バッカーノ!2001―The Children Of Bottle」
第6作 「バッカーノ!1933〈上〉THE SLASH クモリノチアメ」
第7作 「バッカーノ!1933〈下〉THE SLASH クモリノチアメ」
第8作 「バッカーノ!1934 獄中編―Alice In Jails」
第9作 「バッカーノ!1934 娑婆編―Alice In Jails」
時代小説、「妻は、くノ一」第4巻。
松浦静山の下屋敷に飯炊き女として潜入した織江は、ついに静山の密貿易と野心の証拠をつかんだ。だが、これを提出すれば静山ばかりか、夫の彦馬にも破滅が訪れてしまう。くノ一としての義理と、妻としての人情。その板ばさみに悩む織江を、お庭番の頭領・川村真一郎がじわじわと追いつめていく。窮地に陥った織江に、くノ一の先輩でもある母が忠告した言葉。それは驚くべきものだった。
裏表紙より
前巻で静山公の尻尾を掴もうと暗躍した鳥居耀蔵がついに腰を上げ本格的に動き始める。この鳥居耀蔵、かなりしつこい。そして周りの人間からは嫌われ者として描かれている。そんな中でまさか川村と彼が手を組む事になるとは思いもしなかった。静山公を陥れようと動き始める策はまた壮大。今後どうなるか気になるところ。
そしてこの鳥居耀蔵も静山公と同じく実在の人物。と同じく登場している父親の林述斉も実在の人物。ちなみに鳥居耀蔵は後に南町奉行となり老中・水野忠邦のもと天保の改革を推し進め、その取り締まりが非常に厳しく、「蝮(まむし)の耀蔵」「妖怪」等呼ばれ、人々には忌み嫌われている存在だったそうです。
うーわーと思いつつwikiを読み進めると、この時、北町奉行だったのが、時代劇等でお馴染みの「遠山の金さん」こと遠山景元。本名は「遠山金四郎景元」(とうやま きんしろう かげもと)らしいです。ながっ! で、この時の鳥居と東山の対立から『遠山=善玉』、『鳥居=悪玉』の図式ができ上がり、ここから時代劇や小説等様々な媒体で悪役としてのイメージが定着したそうです。へー。ま、詳しくはwikiへどうぞ。ちなみに風野真知雄さんのデビュー作『黒牛と妖怪』にも出てるらしいです。前から読みたかったので後でチェックしなければ。
閑話休題。
今回の捕物帖も面白かったのですが、個人的にちょっとした謎かけ「竜の風」が好き。それにしても新妻が帰ってこないとかで完全にふぬけになっている原田に対して結構いらっと。頼む、もう少し真面目に仕事してくれ。
そしてまさかの登場、養子にした雁二郎が江戸勤めに。大丈夫なのだろうか、彼を野放しにしてと不安になる。それに14歳なのに33歳に見えるとはどれ程老けて見えるのか。仕事も手を抜きつつ何とかこなしているとか。雙星家危うし。そんな雁二郎から織江の居場所が割れてしまうのだから何が起こるか分からない。ようやく会える!そう意気込んで下屋敷に行って見るもそこは既に抜け殻。またしてもすれ違う2人。でもそこがいい。俄然面白くなってきました。
【妻は、くノ一シリーズ】その他の感想
第1作 「妻は、くノ一」
第2作 「妻は、くノ一 (2) 星影の女」
第3作 「妻は、くノ一 (3) 身も心も」
時代小説「みをつくし料理帖シリーズ」、1作目。
神田町台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる屋」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大阪で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!
裏表紙より
時代小説のコーナーに行ったらピックアップ&紹介されていて手に取りました。内容も「女性料理人」ということでこの時代では珍しい設定に目を惹きました。またコミックス化もされている模様。
主人公、澪の料理への姿勢や生き方。どんな辛いことがあろうとも前へ、前へと進もうとする姿が眩しい。澪の生きていく姿に元気をもらったように思う。特に表題作「八朔の雪」は涙無しには読めません。というか、表題作以降泣きっぱなしでしたが。
この澪の生い立ちも悲しい。両親を8歳の時に大雨による増水で亡くし、孤児になったところを拾われ、奉公先で驚異的な舌を見いだされ、女だてらに料理人として仕込まれるようになる。そんな中、様々な苦労を経験し、常に貧乏はしつつも、奉公先のご主人や周囲の暖かい人達に支えられて、一歩一歩 しっかりと成長していく過程が、丁寧に描かれています。
主人公の澪も素敵ですが、澪の周りに集まる優しく、そして人情溢れる人々も良い味出してます。謎のお侍、小松原さん。澪を雇ってくれた種市。母親代わり、元奉公先では女将さんだったお芳さん。心優しい医者、源斉先生。小松原さんとの会話はニヤリとさせられます。
そしてお話事に澪によって編み出されるお出汁香る料理の数々。ぴりから鰹田麩、ひんやり心太、とろとろ茶碗蒸し、ほっこり酒粕汁。この名前もいいんです。特にとろとろ茶碗蒸しがもの凄く食べたい。そして商売敵の卑劣な妨害に屈しない澪にエールを送りたい。また、料理は特に江戸と上方の食文化の違いなどが分かりやすく、面白い。
時に切なく、温かい心温まる物語。人情ものの時代小説が読みたい、好きという方にはお薦めの一冊。また、各話に出てくる料理のレシピも一番最後に載っています。いつか作って食べてみたい。
ジブリ映画最新作、『借りぐらしのアリエッティ』原作本。
イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家。生活に必要なものはすべて、こっそり人間から借りて暮らしていましたが、ある日、小人の少女がその家の男の子に見られてしまいます―。カーネギー賞を受賞した、イギリスファンタジーの傑作。「小人シリーズ」の第1作。
裏表紙より
ジブリ最新作、「借りぐらしのアリエッティ」が2010年7月17日に公開!との事でその前に原作を読んでみました。
訳が少し古く、句読点が多いので多少読みにくかったものの、世界観とキャラクター造形が上手いなあと。小人というと妖精を思い浮かべるけれど、この世界にいる小人は魔法は使えず、生活の必需品は全て床の上に住んでいる人間から「借りて」暮らしている。そこが魅力なのだと思います。
人間たちが気づかぬうちに、或いは気づいてもそんなに気にしないものを「借りて」きて暮らしている小人たちは何とも微笑ましい存在です。普段使っている物達が彼らが「借りて」使う様は実に多彩。使い方の描写と所々に入る挿し絵に想像が膨らみます。借り暮らしの人々から見た視点、人間から見た視点。両方の視点を思い浮かべてみると面白い。
しかし、彼らの暮らしは人間に「依存」しているため、人間との折り合いがつかなくなった時には引っ越しを余儀なくされてしまう。物語は、ファンタジーだけれども非常にスリリング。それだけ「借り暮らしの人たち」の生活が、人間に依存しすぎているせいで生活が不安定になってしまうからなのでしょう。生活する上でひたすら不安が付きまとうのは辛い筈。まるで、人間が文明に頼りきっているといつかこうなる、という皮肉のようにも感じました。
物語と一緒に訳者後書き、解説を読むとより世界観、そして作者のメアリー・ノートンについてわかり楽しめると思います。また、「床下の小人たち」の他、「野に出た小人たち」「川を下る小人たち」「空を飛ぶ小人たち」「小人たちの新しい家」とシリーズがあるようで、次の話もぜひ読んでみたい。
映画公開に先駆けてホームページでブログがオープンしています。最新情報がいち早く入手できそうです。また、今月狡獪なせいかTVニュースやCMにも報道され始めました。ホームページ、メッセージにありますが、舞台を1950年代イギリスから現代2010年の日本に移しての物語。映画公開が今から楽しみです。
初読み、多崎礼さん作品。“本の姫”は謳うシリーズ、第1作。
「滅日」によって大陸中に散らばった、世界を蝕む邪悪な存在―文字。天使の遺跡を巡り、本を修繕する少年アンガスは、文字を探し回収するために、“本の姫”と旅を続けている。ある日、無法者たちから救い出した少女に、文字の気配を感じた彼は―。圧倒的な筆力と緻密な世界観を持ち、第2回C・NOVELS大賞受賞作『煌夜祭』で話題騒然の多崎礼が満を持して放つ新シリーズ、堂々開幕。
裏表紙より
本を修繕し、文字(スペル)を探し続ける少年「アンガス」と「俺」の視点で語られる。二つの物語が交互に出てくるものの読みづらいことはなく、交互の視点が気になってしまいどんどん読み進められる。特に特徴ある世界観が堪らなく面白い。
一巻なので説明的な文章が多い物の、苦になりません。「本」「歌」「文字」という設定に工夫が凝らされていて面白い。個人的にお気に入りの設定は「スタンダップ!」と本に手を当てるとその情景が浮かび、本を読むことが出来ること。これ、実際に出来たらすごく面白いなと。読んでいる文章が映像で見られるなんて素敵!
勿論、キャラクター達も魅力的。スペルを集めるちょっとヘタレだけれど芯に強い心を持つアンガスと少しツンデレが入っている「本の姫」。ならず者達から助けられた言葉を喋れず、記憶を失っているセラ。アンガスの親代わりで女傑のエイドリアン。手配書の男とそっくりな癖に超がつく程のヘタレなジョニー。オルクス族の首長(チーフ)、ローンテイル。自動人形(ドール)のアーク。保安官のエヴァグリン連盟保安官。終盤に掛けてのアンガスの姿が格好いい。ローンテイルに示す「力」。アンガスに刻まれた文字(スペル)希望。少しだけ明かされる過去。
そして、もう一つの物語。恐らく既に空から墜落した楽園での「俺」。遺伝子操作により産まれる他の兄弟99人を殺し、生まれつき心臓に欠陥を持ちながらも産まれた俺。精神感応能力が強すぎるために誰も俺を世話が出来ず、その世話係として選ばれた『理性の良心』ガブリエル。教育と養育の管理者であり、130歳を軽く超えた祖母のようなレミエル。俺を拒絶し、殺そうとする女性ウリエル。俺を悲劇の王子と称し本を綴る作家、ラジエル。操られ、心縛され殺されるツァドキエル。新しくラファエルとなったキメラ。言葉を覚える鳥、パロット。楽園から落ちた俺はどうなるのか。
二つの物語が交差し、進んでいく。たった一冊でかなりのボリューム。これで全4作なのだからどれ程物語が膨らむのか今から楽しみ。どちらの物語も良いところで終わっただけに、次巻を読むのが楽しみ。
暁と黄昏の狭間、第2巻!
魔術大国オラの学都へ送られたセフルは、いまだヘン=ジャックの呪いに苦しんでいた。一方ギルダン・レイは、オラの皇子アシュラーフ・サンダーキニと幼い ドムオイ王女の婚約を押し進めるカザン大使と対立し、国を追われる。生命魔術の神・薬王樹を祀るサンダーキニ家の謎を、二人は解くことができるのか。雪と 氷の国オラでの決死行が始まる!
裏表紙より
本当に面白いなあ、この話。世界観が重厚かつ濃厚な正統派ファンタジー第2巻。前巻よりさらに物語は加速する。一度読み始めたら止まらない、予想もつかない展開の連続。物語にどっぷりつかり込みました。濃厚なファンタジーが好きな人にはおすすめなシリーズです。
魔術大国オラの学都へと舞台は移り、様々な事件が勃発しつつ、主人公セフルは薬王樹を守るサンダーキニ一族の当主に出会い、生命魔術の源である「薬王樹」の秘密へと発展していく。このサンダーキニ一族の当主であるサンダーキニ皇爵様、ギルダン・レイを差し置いて表紙になるくらい重要人物です。
サンダーキニ皇爵様の俺様っぷりに初めは戸惑うところが多かった物の、セフルとのふれあいに より少しづつ態度が雪解けしていくところとかもう読んでいる間中ときめいてばっかり。正直、ギルダン・レイとどちらが格好良かったか聞かれると、私はサンダーキニ皇爵に軍配が上がりそうです(笑) また、薬王樹とサンダーキニの関係が明かされる場面は衝撃でした。
そして、敵側であり、一番長く対立するかと思ったサイヤーレが予想外の事に。サイヤーレは初めからセフルを実験動物としか見ていない魔術に命をかけるような人間なので正直ここで禍根を断ってしまえるのはよかった物の、今後のカザンやミリディアの逆恨みが怖そう。しかし、ミリディアの事は結構ショックでした。セフルの初めての友人といえる立場の人間が敵側なんて。とことん、セフルに甘さがない。
今回も容赦ない展開と濃厚なストーリーに一気に読みました。果たして次はどうなるのか。容姿に多大な変化を経たセフル。追われる立場となってしまったレイ卿。ようやく恋愛方面で花開きそうな感じではある物の、まだ時間が必要そう。
【暁と黄昏の狭間】その他の感想
暁と黄昏の狭間〈1〉竜魚の書
お笑い芸人、劇団ひとりのデビュー作。
ホームレスを夢見る会社員。売れないアイドルを一途に応援する青年。合コンで知り合った男に遊ばれる女子大生。老婆に詐欺を働く借金まみれのギャンブラー。場末の舞台に立つお笑いコンビ。彼らの陽のあたらない人生に、時にひとすじの光が差す―。不器用に生きる人々をユーモア溢れる筆致で描き、高い評価を獲得した感動の小説デヴュー作。
裏表紙より
全5編の短編集は絶妙に繋がっている物語。劇団ひとりさんやるなー!というのが読み終わった後の感想。さらっとした文章は読みやすいし、物語が思いがけないところで繋がっていたりして、くすっと笑えたりこの人がこんな所で!と登場したときには嬉しく思えたり。ユーモアある文章が良い味出してます。
一般的に各話の主人公達は欠点やダメ人間な部分も見られますが、「かっこ悪いのが格好いい」という印象を持ちました。一人一人の人間が、「陰で花を咲かせる」というタイトル通りの作品。読んでいて良い心地よさを感じました。 特に発想がリアルで登場人物達がみんな人間くさくて生きている。上手いなあ。
どの短編も味があって好きです。設定が独特で各物語ごとに、きちんと最後にオチが来るのはコントのようでニヤリ。「ピンボケな私」では声を出して笑ってしまった。まさかそんなオチだったとは!こういうオチ好きです。 個人的に一番好きな話は「Overrun」。主人公がこれまたダメ男なんだけど、最後の展開には不覚にも泣いてしまった。好きだなあ、こういう話。
映画の方はまだ見たことがないので一度見てみたいかも。映画と原作では少し変わっているらしいのでその点も楽しみ。
時代小説、「妻は、くノ一」第3巻。
元平戸藩主、松浦静山に気に入られ、たびたび下屋敷に呼び出されるようになった雙星彦馬。妻の織江を探しに江戸へ出てきたのだが、天体観測を付き合わされ たり、巷で起きる事件の調査を頼まれたり。そのため彦馬の織江探しは、静山が綴る「甲子夜話」のようには着々と進まない。だが彦馬は知るよしもなかった。 お庭番の密命を帯びた織江が、飯炊き女になりすまし静山の下屋敷に潜入していたことを。
裏表紙より
3巻までで1ヶ月に1冊というとんでもないペースで出版していたこのシリーズ。勿論ココで終わりではないものの、なんてハイペース。すごいな風野さん。
前巻、気になる終わり方をした織江を救ったのは静山公の赤犬、マツ。マツよくやった、マツ!そして浮き彫りになる虎吉の謎。そんな織江の心境とは裏腹に彦馬は事件を解決し同心・原田の手助けをする。けれど、年末に事件を解決したからってふてくされるなよ原田(笑) 手柄もほぼ彦馬が解決したものだし、そのくらい働きなさいあなたは。新妻さんに首っ丈。毎度のノロケはちとキツイ。それでも憎みきれないのは彼の人柄かな。
そしてニアミスした、「人形は夜歩く」。新年だというのに夜中に人形が歩くという話を確かめるために一人、静山公の自室で休むことになった彦馬。そこで豪華なおせちに熱燗付けて、いそいそと準備をする織江がいじらしい。
しかし静山公がいない時を狙って虎吉が室内に潜入。彦馬が危ういところを織江が助けつつ人形の謎を解く彦馬。ここで織江が虎吉が怪しいと静山公に伝えるための手段として米の味を落とす、という方法を使ったのは流石。しかし、虎吉の背後には鳥居耀蔵という人物が一枚噛んでいた。
鳥居耀蔵は中奥の任務だと告げ、静山公の内情を探っていた。しかも彼、静山公の友人の息子。これは一波乱がありそう、と思ったところでまさかの双子の泥棒が侵入。その騒ぎに乗じて双子は盗めなかったが、織江の目の前に飛び込んできたのは密貿易の証拠と覚しき書物。それを渡せば任務は終了だけれども、そのまま川村の嫁になってしまう。悩む織江。しかしかなり拙かろう展開でまたしても終劇。本当、良いところで終わるの上手いわ。そして毎度思うが、このタイトルの付け方!うまいなあ。しっくりきます。
【妻は、くノ一シリーズ】その他の感想
第1作 「妻は、くノ一」
第2作 「妻は、くノ一 (2) 星影の女」
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ナポリ
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女性
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のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。
【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
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