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超雑多感想所。お暇なときにでもお立ち寄り下さい♪ 感想はネタバレしています。まだ読んでいない、プレイしていない方はご注意を!
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時代小説「みをつくし料理帖シリーズ」、2作目。


元飯田町に新しく暖簾を掲げた「つる屋」では、ふきという少女を下足番として雇い入れた。早くにふた親を亡くしたふきを、自らの境遇と重ね合わせ信頼を寄せていく澪。だが、丁度同じ頃、神田須田町の登龍楼で、澪の制作したはずの料理と全く同じ物が「つる屋」よりも先に供されているという。はじめは偶然とやり過ごすも、さらに考案した料理も先を越されてしまう。度重なる偶然に不安を感じた澪はある日、ふきの不審を行動を目撃してしまい――。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ第二弾!


裏表紙より引用


今回も、料理人「澪」の一途さ、健気さ、そして一所懸命な姿に思わず応援したくなりました。「雲外蒼天」にふさわしく、多くの災難や試練、意地悪な大料理店「登龍楼」の嫌がらせが襲いかかるも、俯くことなく立ち向かう澪の姿が眩しい。


料理へと真っ直ぐに立ち向かい創始工夫を施す美味しそうな料理の数々は食べたくて仕方がない。ほろにが蕗ご飯、こぼれ梅、なめらか葛饅頭、忍び瓜。特に忍び瓜野作り方には脱帽。まさかそんな食べ方があるとは! 是非今度作ってみたい。季節的にも旬の胡瓜は良い具合に化けてくれるに違いない。


前巻、卑劣な付け火によって失った店を場所を新たに心機一転。「つる屋」の名はそのままに新しい店で商売を始めた澪。新たに下足番の「ふき」を加えて料理に勤しむ。季節に見合った料理を出したというのに次の日に料理を出すという段階になって何故か登龍桜に料理流れるようになってしまう。それもふきが来てから。ふきの切なさや立場が分かっているからこそ辛く、そして澪の潔い態度が小気味良い。澪の優しさにじんわり。


そして、「こぼれ梅」のエピソードには思わず涙。幼馴染みの野江との友情。白いほっそりとした手が形作る『涙は来ん、来ん』。澪と野江の遣り取りが哀しいく切ない。涙封じのおまじないに言葉はなくとも多くの想いが溢れている。味醂の店主と留吉の話も良い案配。


2巻からはふきに加えて、戯作者・清右衛門、源斉先生に想いを寄せる美緒、助っ人・りうと加わり、物語に幅が広がり面白い。どのエピソードも多くの災難が降りかかっても、人の温かさに救われる「つる屋」。おりょうや太一が麻疹にかかったりと騒動が起こりますが、人情溢れるこの店の話をまだまだ読んでみたい。ほんのり澪の恋愛話も見えてきたところだし、続きが気になる。




【みをつくし料理帖シリーズ】その他の感想
第1作 「みをつくし料理帖 (1) 八朔の雪」



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小野不由美が綴るホラー小説。


直樹と典子兄妹は、従兄弟の隆の家を訪れた。ここは、木蓮や馬酔木や海棠や空木などに埋もれた野草の里。まさに桃源郷だ。しかし、久方ぶりに会う隆の目は昏かった。そして、心やさしい隆が母親に冷酷な態度をとるのは何故。母子に、いったい何が!? 「あの女が、迎えにくる…」――隆は、幼い日の冷たい雨の夜を思い出し、直樹には、あの記憶が甦る。十七歳――少年たち(ふたり)を繋ぐ運命の春が来た。


裏表紙より引用


小野不由美さんと言えば十二国記、悪霊シリーズ、屍鬼が有名ですがこちらもおすすめ。私は「過ぎる十七の春」で初読みですが、元は「呪われた17歳」を改題、加筆訂正したものらしいです。


多くの花や野草が咲きほこるまるで桃源郷のような従兄弟、隆の家。毎年春と夏に直樹と典子はこの家に遊びに来る。しかし今年、遊びに来た隆の目は暗く、ある日を境に人が変わったかのように人が変わったように振る舞うようになる。そんな中、隆の母・美紀子が自殺する。自殺の理由を調べようと直樹は独自に探り始め、発覚する「菅田家の長男は17歳で母を殺す」という呪い。唐突に浮かび上がった隆の左腕のあざ。ついには直樹にまで魔の手が――――。


17歳に必ず起こる親殺しの一族、菅田家。直樹が過去帳を紐解き、真実に辿りつくまでが臨場感たっぷりで思わず一気に読み進めた。特にクライマックスに掛けての緊張感もヒートアップ。最後の対決シーンはホラーの定番だと分かっていても魅せられた。


ゴーストハント、悪霊シリーズに出てきそうな内容だと感じつつ、「人形の家」を思い出した。ただ幽霊を出して怖がらせるのではなく、子を奪われた母の悲しさ、執念深さ、母が子を、子が母をを思う気持ちともの悲しい真実を描かれているのが切ない。しかし最後は希望を持った終わり方だったので、読了後には清涼感が残りました。


野山や風景の美しさを喚起させる精密な文章、ホラーシーンの血生臭い描写のリアリティ、この対比がより恐怖を駆り立てている。背筋がぞくぞくする場面が多々ありました。本当に小野さんは上手い書き手さんだと思う。ホラーが苦手な人でもミステリーものとして楽しめると思います。


ちなみにイラストは波津彬子さん。どこかで見たことある絵だと思ったら「雨柳堂夢咄」の作者の方なんですね。内容にあったイラストがより恐怖を煽ります。ただ好き嫌いは別れるかな。




[小野不由美]その他感想

【悪霊シリーズ】感想
悪霊シリーズ第1作 「悪霊がいっぱい!?」
悪霊シリーズ第2作 「悪霊がホントにいっぱい!」
悪霊シリーズ第3作 「悪霊がいっぱいで眠れない」
悪霊シリーズ第4作 「悪霊はひとりぼっち」



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[タイトル] 青鬼 ver.5.2
 
[制作]  ゲーム置き場
[ジャンル] 謎解き&ホラーアドベンチャー
[ツール] RPGツクールXP-RTP(プレイするために必要です。ダウンロードはこちらから
[プレイ時間] 約1時間30分
[頒布日] 2009年10月10日
[END数] 2

[概要]

卓郎、たけし、ひろし、美香の4人が噂の館へと興味本位で郊外にある館へと訪れる。しかし突然鍵が閉まり館の外へと出られなくなってしまった。各場所にある謎解きや仕掛けを解き明かし、様々なアイテムや鍵を使用したり組み合わせたりしながら、お化けの住む館から脱出するゲーム。プレイヤーはひろし。ただし気をつけて。青鬼はすぐ傍に、どんな場所でも唐突に現れる。油断したら負け。



[画面サンプル]

2010y07m25d_144127625.jpg













[感想]

ゲーム置き場、nopropsさんによる謎解き&ホラーアドベンチャー。
今回青鬼初プレイ。ver.5.2とのことですが、このゲーム、バージョン事にマップ構造や青鬼の速度、出現場所や謎解き要素等変わっているゲームなんですね。すごく面白かった。

初め、登場人物達の絵の差に笑った。何故卓郎、そんなにイケメン。しかもタケシ! とそこまでは余裕があったのですが、唐突に現れた青鬼に「?!」。唐突に出てこられるから何度も叫びまくりました。怖すぎる。そしてキモ過ぎる。

青鬼は出現場所、条件が決められた場所で出てくるらしいですが、ランダム出現する場合もあり分かっていてもつい叫んでしまう。おまけに触れられたら即ゲームオーバーで、一定時間逃げなければいけず、建物の構造や設置物を利用して回避しなければいけず、何度図書館に逃げ込んだことか。しかもBGMが良い感じに恐怖感を煽ってくれます。煽らなくていいです。本当。

特にきつかったのは檻の中の演出とはしごを食い散らかしていた青鬼、それに箪笥に入ったらセーフなんでしょ? と余裕こいてたら キィ 「?!」。檻の時、本当あれで回避とか無理だからと恐怖からか、はたまたあきらめからか何故か空笑い。ようやく先に進めると思ったらガコンガコンやられるは・・・・・・。もう勘弁して。そしてはしご。ようやく逃げられると気持ちが軽くなったと思ったら「?!」。(ネタバレ伏せ字)洒落にならん、マジで。

青鬼もキモかったですが、あのゴキ○リみたいな生物が異様に気持ち悪い。何あれ。何あの音。しかも素早い。(ネタバレ伏せ字)あれが出たときは速攻で逃げました。

謎解きはすごく面白かった。悩んで悩んでようやく分かった瞬間の達成感! と唐突に現れる青鬼との恐怖がせめぎ合ってました。セーブはこまめに念入りに。そして一瞬の油断が命取り。初めは青鬼でても撒けば良いんだからと余裕でしたが、停電したとき(ネタバレ以下略)から余裕なし。もう心臓バクバクのドキドキで最後、館から逃げ出せたときの開放感は半端なかったです。

攻略は青鬼攻略サイト様を参考にプレイ。詰まったら何度も見まくってました。その為、攻略時間は結構短めかなと。しかし濃厚な1時間30分でした。ちなみにこの青鬼。沢山実況プレイ動画が上がっているようで、ver.5.2以外のバージョンの物も発見したので後で見に行こうかと。楽しそう♪

また、2010年7月8日にver.6.0が公開されているようです。開発中で、途中までしかプレイできない物の公開はされてる模様。今度プレイしてみようかなと。



[攻略ヒント]

・敵が出現しているときは――
アイテムを取得できません。
メニュー画面を開けません。
鍵は開けられます。
・敵は、一定時間逃げ続けるか、タンスに身を隠すことで、
撒くことができます(特別な場合を除く)

 
(Redemeより引用)

 

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インディゴの夜シリーズ、第1巻。&初読み加藤実秋さん。


「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」フリーライター・高原晶の一言から生まれた、渋谷のホストクラブ〈club indigo〉。店の評判は上々だが、なぜか次次と事件に巻き込まれる晶たち。それらを解決するために、個性的なホスト探偵団が夜の街を活き活きと駆け巡る! 第10回創元推理短編賞受賞作を含む連作短編集。


表紙裏より引用


さくっと読める4つの短編集。軽快で読みやすく、また登場人物達が個性的でメリハリがあり、魅力的で面白い。作品の中で起こる事件を「club indigo」のメンバーが各自の特技や人脈を駆使して解決していく様は痛快かつ爽快。ミステリー物としても楽しめると思います。また、起こる事件は結構悲惨で痛々しい場面も多いですが、文体が軽めなので暗くなりすぎない感じも良いです。


ホストの中に混じる紅一点、フリーライターの「高原晶」、そして彼女の言葉にのった大手出版社の編集者「塩原」が「club indigo」のオーナー。晶さんの時折見せる男らしさ(褒め言葉)が格好いい。彼女にはそのまま突き進んで欲しい。また、晶さんと「club indigo」の男の子達の関係が年の離れた姉弟のようで読んでいて微笑ましかったです。そして、クラブを実質取り締まっている謎の男「憂夜」。彼の過去や周りから見られている立場が気になるところ。


ドラマで人気らしいのですが、残念ながらドラマは未視聴。でもこの設定は確かにドラマ向け。全63話(30分)で終了してますし、今度見てみたいかも。





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[タイトル] 死舞草 ~SHIMAIGUSA~

[制作]  bannergh01.gif
[ジャンル] ホラーサウンドノベル
[ツール] 吉里吉里
[プレイ時間] 約6時間
[頒布日] 2009年12月31日
[END数] 6

[あらすじ]

夏休み。妹の葉と一緒に父方の家へと遊びに行くと、幼馴染みの隼人にホラーゲームを作るから資料集めに村にある「入っていけない森」に行かないかと誘われる。そして、私、妹の葉、幼馴染みの隼人、謎の中学生すみれの4人で森の奥へと行くことに。夜、親の目を盗んでこっそりと森へと足を踏み入れた私は――――――。



[画面サンプル]

2010y07m20d_214703375.jpg













[感想]

Home Security Company、自宅警備員会社員さん達によるホラーサウンドノベル。
元々は2009年の夏にニコ生で突発的に立てられたホラーノベル企画だそうです。突発的、とのことですがにすごく凝った作りでやりごたえがありました。

グラフィック、音楽、場面演出が逸材。特にグラフィックは一枚一枚とても綺麗で、立ち絵も可愛らしいです。また、OPにヴォーカル入りの曲やシステム選択画面、オプション画面まで細かな所まで凝ってます。システム面も良好。欲を言えば既読スキップが欲しかった。

章立てがあり、一章読み終えると次の章に進む事が出来るシステム。章ごとにエンド数が違ったり、一本道だったりと異なります。ちなみに章選択ページもまるでノートのようで素敵です。章ごとに物語は変わりますが、全体的にはあまりゾクリと来る怖さは感じなかったように思います。

ただ、グラフィックは怖かった・・・・・・。某先生と教祖、ホントやばいです。立ち絵でこんなに怖かったゲームは初めてでした。目がカッと見開かれた顔や落ちくぼんだ瞳。あの2人が怖かったです。

物語の中心は燕と葉の2人。ただ、初めは物語のテンポになれず、いまいち乗り切れてなかったように思います。慣れるとすんなり入り込みました。一番好きな章は1章。じわじわと符合していくのが面白かったです。また、3章からの4章へのフラグで思わず叫んでしまった。最後は少し流れてしまった感が勿体ないような。個人的にはもっと盛り上がって欲しかった。ところで、最後の葉、可愛いんだけれどもサービスショットが多すぎて笑った。これなんてer(自重)。

次回作も制作が決まったとのことで、あらすじを読んでみたらこれまた面白そう。次回作も楽しみ。



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小市民シリーズ、4作目。


ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上 の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど…ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしてゆく連続放火事件に対し、ついに小鳩君は本格的に推理を巡らし始める。小鳩君と小佐内さんの再会はいつ―。



裏表紙より引用


連続事件に熱中する瓜野君。新聞部部長になってから本格的に動き始め、抑えの効く人物がいない分暴走気味。 その放火事件の陰に見え隠れする小佐内さんの影。暴走気味の瓜野君を押さえ、事件を追うために小鳩君は健吾の協力を得て新聞部の動向を探る、「秋季」の解決編。


犯人はやはり彼か、と予想道理といったところ。しかし謎解きの過程については楽しめた。にしても瓜野君が騒いだのが楽しくて放火を続けたとか酷すぎやしないだろうか。犯人の彼はずっと内心瓜野君を嘲笑っていたのだから。まあ、瓜野君も自業自得な部分はありますが、完全に瓜野君は今回の事件でトラウマ決定。何だろう、瓜野君には途中イライラさせられたこともありスカッとした気持ち半分、可哀想だなと同情半分。親友を失い、恋人に手酷く振られ。狼さんを怒らせてしまった報いが大きすぎる。しかし最後の「他愛ない」の台詞にはぐさり。黒いよ、黒すぎるよ小佐内さん。そしてやはりキスでアウトだったか。ご愁傷様です瓜野君。


同じく、仲丸さんに振られた小鳩君。何という人間失格みたいな振られ方。しかし仲丸さんも自分が最低だけどと認めて別れた辺りは好感触かな。まあ、小鳩君はもう少し仲丸さんの機微に気付いても良かったかなとも思うけれども。二股、あれ三股?を掛けているという情報をもらい、それを仲丸さんが知っていてもおかしくないと何故気付かない。うーむ、その辺は推理とはまた違う思考なのかな?


それと、今回も美味しそうな「栗きんとん」と対比される「マロングラッセ」。小佐内さんはマロングラッセのような関係を瓜野君に求めたけれど無理で、小鳩君との栗きんとんとの関係は裏ごしが足りなかった。このお菓子の使いどころも面白かった。


そして1年越しの2人の出会いの場所が小鳩君と小佐内さんらしくていい。小佐内さんは小鳩君の目の前で別れたわけですが、彼女なりの愛し方というべきなのか、しかしベクトルはやはり間違っているという。しかしやはり2人は一緒にいて欲しい。狼さんも狐さんもつくづく似たもの同士なんですね。もう高校3年生の秋。今までと同じなんだけれども、どこか違う。何かが切って落とされたような気のする2人の関係。果たして「冬季限定」はどうなるのか。続編が楽しみ。




【小市民シリーズ】その他の感想
第1作 「春季限定いちごタルト事件」
第2作 「夏期限定トロピカルパフェ事件」
第3作 「秋期限定栗きんとん事件〈上〉」



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小市民シリーズ、3作目。


あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、ぼくの幸せな高校生活は始まった。学校中を二人で巡った文化祭。夜風がちょっと寒かったクリスマス。お正月には 揃って初詣。ぼくに「小さな誤解でやきもち焼いて口げんか」みたいな日が来るとは、実際、まるで思っていなかったのだ。―それなのに、小鳩君は機会があれば彼女そっちのけで謎解きを繰り広げてしまい…。


裏表紙より引用


夏の事件で互いに別れ、あくまでも表面上は青春を謳歌しているように見える2人。バラバラに行動していると小市民に見えるような。小鳩君は仲丸さん、小佐内さんは瓜野君と互いに新しい恋人と過ごす日々。けれど互いに相手が変わっても根本的なところは変わらない辺りがらしいなと。しかし、互いに新しい恋人と付き合い始めて個人的には軽くショック。やはり2人でいて欲しい気持ちが強いせいかな。


小鳩君は同級生の仲丸さんと付き合っていても、必ず小佐内さんの影がちらりほらり。特に美味しいスイーツに関しては女子顔負けの知識。何となく、印象として小鳩君が小佐内さんに惹かれ始めているような感じ。そして最後にはえーって感じです。自分から告白しておいてそれはないだろう。キープか、キープのつもりなのか。


反して小佐内さんは年下の瓜野君と付き合い始め、表面に出てこない狼の部分が怖い。そして小市民を目指す2人より確実にぎらぎらしている瓜野君。熱血系が一人いても良いかな、とは思うけれど、どうも瓜野君は好きになれないです。何となく、小佐内さんによって恐ろしいトラウマを作られてしまう予感が・・・。そしてキスを交わす小佐内さんがやけに格好いい。しかし、ここで完全に瓜野君は道を違えた気がします。続巻が怖い。


また、やけに耳に残るのは小佐内さんの栗きんとんとマロングラッセの講義と「何も殺さずに食べられる」の一言。これがどうタイトルと結びつくのか気になるところ。


そして、今回の事件である「放火」がどう2人を再び出会わせるのか。楽しみなところ。事件に関しては大分日常系の事件とはかけ離れたかな。そこは少し寂しいところ。


それにしても健吾が頼りがいがある存在に成長したなあ。格好いい。最初のココアの頃に比べればぐっと男気が増しました。しかし新聞部の今後は大丈夫なのか?絶対やりすぎて何か事件が起こりそうなのだが。そこを含めて下巻が楽しみ。




【小市民シリーズ】その他の感想
第1作 「春季限定いちごタルト事件」
第2作 「夏期限定トロピカルパフェ事件」



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時代小説、「妻は、くノ一」第5巻。


ついに織江の正体を知った雙星彦馬。しかし彦馬は、それでも妻を信じて再び逢える日を待つ。一方、静山の屋敷から失踪した織江は、悩みながらもお庭番から離れることを決意した。母・雅江はその手助けに、最後の力を振り絞る。2人を抹殺するため、お庭番の頭領・川村真一郎率いる忍びたちが迫り来る。危機一髪のところで助けに入ったのは意外な人物だった。織江の驚くべき過去が明らかに!急展開の大人気シリーズ第5弾。


裏表紙より


今巻はかなり物語が動きました!ついに織江と雅江が足抜けを決意し、織江は平戸藩下屋敷から姿を消す。そして、同時進行で鳥居耀蔵が静山公をはめようと作り上げた仕掛けだらけの屋敷。それを静山公に買わせようとするが・・・・・・。


もう、絶対静山公買うと思いました。屋敷。ハラハラさせられましたが思わぬ理由により買わず。良いんだか悪いんだか。そして姿を消していた織江が思いがけないところに隠れていた事にも驚きましたが、ほっこりした話は「神さまの忘れもの」。若い男女の巡り会いの話には彦馬と織江の姿を重ねながらじんわりと来ました。恐らく、その後の殺伐とした雰囲気と対照的だったせいかもしれませんが。


そして、そこで雅江が彦馬に「娘をよろしくお願いしますね」の一言。・・・・・・なんだか嫌なフラグが立ったような。そう思っていたところで、ついに川村との対決。初めは川村一人で行こうとしていたところで鳥居耀蔵が助言し、しかも自らついていくと。着々と友人関係を結んでいく二人を喜んだらいいのか、悲しむべきなのか微妙なところ。それにしても想像以上の大殺陣。雅江と織江のコンビ技が光ります。けれど多勢に無勢。少しずつ追い詰められていく二人に予想外の援軍が。


けれど・・・・・・。壮絶な結末に思わず泣いてしまった。まさかこんな所で。しかも織江の父親って本当に彼?衝撃の事実が発覚したもののそれが果たして今後どう影響していくのか。もの悲しく響く笛の音がやけに胸に響きました。




【妻は、くノ一シリーズ】その他の感想
第1作 「妻は、くノ一」
第2作 「妻は、くノ一 (2) 星影の女」
第3作 「妻は、くノ一 (3) 身も心も」
第4作 「妻は、くノ一 (4) 風の囁き」



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文学少女シリーズ3作目。


「ああっ、この本ページが足りないわ!」ある日遠子が図書館から借りてきた本は、切り裂かれ、ページが欠けていた―。物語を食べちゃうくらい深く愛する “文学少女”が、これに黙っているわけもない。暴走する遠子に巻き込まれた挙句、何故か文化祭で劇までやるハメになる心葉と級友の芥川だったが…。垣間見たクラスメイトの心の闇。追いつめられ募る狂気。過去に縛られ立ちすくむ魂を、“文学少女”は解き放てるのか―?大好評シリーズ第3弾。


裏表紙より


遠子先輩の独断により、文化祭で劇をやるハメになった心葉君。メンバーは心葉君を加え、クラスメイトで女子に人気の芥川一詩(かずし)とツンデレ少女・琴吹ななせ、それに一巻で登場した竹田知愛。そして文学少女・天野遠子。そして、演じるは武者小路実篤の「友情」。


演目にあるとおり、今回の題材は武者小路実篤の「友情」。友情と愛情の葛藤を画いた白樺派の代表作品。そして、本作でメインとなるのは、芥川くんのエピソード。五十嵐先輩と芥川君、そして更級さんの三人を巡る三角関係かと思いきや・・・・・・。そして心葉君も、次第に傍観者ではいられない立場に立たされていくことに。


友情と同じく、親友の恋人をとってしまった芥川君。しかしその内情は激しく、悲しく、重い。芥川君がこんなにも重い過去を背負っていたことに驚いた。途中から胸を抉られ、息苦しくなりながらも読み、思ったより早く事件の結末が判明したので驚いた。全2巻は最後の最後に文学少女が「想像」で事件を推理していたので。あまりに事件が苦しく切なかったので完全に「文化祭」の存在を忘れていただけに、最後の劇中の展開にはやられました。


劇は前日に風邪を引いてしまった琴吹さんに替わり、遠子先輩が杉子役。遠子先輩が演じるはずだった野島役を心葉君と急遽配役を変えてのスタート。劇の始め心葉君と竹田さんの「自分を乗り越えられる気がするんだ」「なら、あたしはそれを見させてもらいます。そしたら、あたしも希望が持てます」の台詞が結構印象的だった。


そして劇のクライマックス。どうしても台詞の一説を喋ることが出来ない芥川君に、遠子先輩・文学少女の一人語り、想像による推理であり、真の真実が始まる。「人間はみんな愚か者なのだから!」「壊れてみて、傷ついてみて、はじめて知ることができるものがある」 最後の遠子先輩の長台詞、胸に残る台詞ばかりです。


過去に縛られ繋がれた愚者達は、人を信じることで、沢山の絆に繋がれた愚者となった。最後の最後までひっくり返す手法にはやられっぱなしでした。シリーズ3作目にしてようやく前に進んだ心葉君。読後に心地のよい清々しさが良く、1~3作の中で一番好きな話でした。


芥川君の手紙の相手、心葉君に説明したお母さんだという話だったけれど、最後の方はお母さん宛だと分かるけれど、初めの方はお母さんに宛てるにしては内容特徴に違和感があっただけに納得。それに、やけに唐突に心葉君と仲良くなったなと思っていたらもしやそういう理由から? 次回、自殺したとばかり思っていた彼女が登場しそうな予感。ようやく成長できた物の、心葉君の本当の試練はこの後の模様。


心葉君の過去も気になるところだけれど、遠子先輩の過去や琴吹さんの過去も気になる所。琴吹さんは前巻報われて欲しいとは思ったけれど、報われたのか悪化したのか・・・。でもクッキー話には爆笑した。可愛すぎるっ。


文学少女シリーズは話はシリアスで登場人物はすれ違って、食い違って、苦しみ、心理描写が重く読んでいて胸が抉られていくような話ばかりなのに惹きつけられる。精神値は確実にすり減るのに、引きずり込まれるように物語に集中して読むのがやめられない。文体も読みやすいし、登場人物達も魅力的。本当、好きだなあ文学少女シリーズ。




【“文学少女”シリーズ】その他の感想
第1作 「“文学少女”と死にたがりの道化【ピエロ】」
第2作 「”文学少女”と飢え渇く幽霊【ゴースト】」



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「バッカーノ!」第11巻。初の1700年代の話。


1705年、イタリア地方都市。15歳の誕生日を迎えたヒューイ・ラフォレットは人生に退屈し、同時に絶望もしていた。全てに無関心で世界の破壊のみを考える少年が住むこの街では、奇妙な連続殺人事件が起こっていた。噂されるのは白い仮面を纏った『仮面職人』という怪人の存在。目撃者は次の被害者になるという。街が不穏な空気に包まれていく中、ヒューイの身辺に新たな異分子が入り込む。錬金術を教える学舎の同窓であり、ヒューイに恋心を抱くモニカ。『仮面 職人』を目撃して殺されることを諦観しているニキ。そして、全ての人の幸せばかりを願うエルマー。彼らと連続殺人事件が絡み合う時、ヒューイの「世界」は変わるのか―。中世を舞台にした幻想的な馬鹿騒ぎ―!? シリーズ異色作。


カバーそでより


初の1700年代という事で、前巻判明した、ヒューイとルネの関係をうけてかヒューイの少年時代の話。1930年代とは違うヒューイに注目。今巻でヒューイの印象が変わりました。以前は苦手なキャラだったので。また、いつもの群青劇を含めつつミステリー要素を絡めた内容に「2001年 The Children Of Bottle」を思い出しました。こちらも今巻同様バッカーノでは異色なので。


メインは錬金術師達の中でも異色であるヒューイとエルマーの友情(?)物語。1900年代で唯一の「友人」だと語るヒューイとエルマーの根幹がようやく見え始めました。ヒューイはこの頃、まだかなり心の柔らかい部分が残っていて、現在のヒューイと比べると可愛げのある性格。クールになりきれずに内心慌てる様は可愛いし、面白い。しかしエルマーはエルマーのまま。これってすごいことだと思うと同時に、エルマーの人の幸せを願う「自身の幸せ」を満たすための純粋な「悪」は、ヒューイの印象と相まって不気味さを増す。と言ってもエルマー好きですけどね。この2人が徐々にコンビになっていく様は読んでいてとても面白かった。


そして、1700年代に登場する女性「モニカ」。ヒューイにベタ惚れな彼女が微笑ましくて可愛い。憎いなヒューイ。そんなふたりを応援しようとするエルマーも加わり、このトリオも好きです。そして明かされる真実。このどんでん返しがバッカーノの魅力だと分かっているものの、彼女の行動には驚かされました。勿論、最後に知らされる真実にも。


他にも1700年代で登場するエスペランサはイイ性格しています。女性に対する態度と男性への態度の違いがあまりにもわかりやす過ぎて笑える。良い味出てます。また、前巻で登場したルネさん。この時代で既に不死者であることが明確に表記され、また同じく私塾校長であるダルトンも不死者であるような表記がされている。ということは、この2人はマイザー達が悪魔を呼び出す以前に不死者になっているということ。彼らの謎もまだ解明されていない為、気になるところ。


また、名前は出ていた物の、本編には初登場の田九郎とザンクロー(明言はされていないが斬九郎?)とも邂逅しており、次回作への期待も高まります。そして、アイルさんの意外な正体には目を向きました。あれ、昔こんな感じだったの?


番外編のような印象で読み進めましたが、想像以上に多くのことが書かれていた感だったように感じます。果たして仮面職人は今後も登場するのか。そしてモニカとヒューイはどういう関係を気付いていくのか。次回の1700年代が楽しみ。




【バッカーノ!】シリーズその他の感想
第1作 「バッカーノ!―The Rolling Bootlegs」
第2作 「バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad」
第3作 「バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad」
第4作 「バッカーノ!1932―Drug & The Dominos」
第5作 「バッカーノ!2001―The Children Of Bottle」
第6作 「バッカーノ!1933〈上〉THE SLASH クモリノチアメ」
第7作 「バッカーノ!1933〈下〉THE SLASH クモリノチアメ」
第8作 「バッカーノ!1934 獄中編―Alice In Jails」
第9作 「バッカーノ!1934 娑婆編―Alice In Jails」
第10作 「バッカーノ!1934 完結編―Peter Pan In Chains」



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のんびりなので更新は遅いと思いますが、ちまちま書いていこうと思います。よろしくお願いします。

【追記】かなり更新空いてすみません。体調不良と多忙でブログを書く気力がorz またぼちぼち書いていくのでよろしくお願いします。
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